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念向寺：牡丹 (The peony, Nenkou-ji)
茎崎にある念向寺へ行ったのはこれが二度目である。そこに牡丹園があることを知ったのは、２年程前のゴールデンウィーク中のことだった。ドライブに出たはいいものの、目的地が決まらず友人と大喧嘩をしてしまい、勢いで国道を右折した挙げ句に道に迷い、いい加減不機嫌になっていた時、電柱という電柱に括り付けられている立て看板に目がとまったのだ。その看板に記された矢印に導かれるまま、私たちは広い敷地を持つお寺へとたどり着いた。園内に所狭しと植えられた牡丹は、一面に広がる水田を眼下に見下ろす日当たりの良い斜面で、人の顔ほども大きさのある花を開いて咲き誇っていた。茶店で一休みする頃には、機嫌もかなり良くなっていた。なのに、その時に撮った写真にはまだその不機嫌の余韻が残っている。 　今年の牡丹は、ゴールデンウィークには既に花が終わっていた。変化の激しい天候のせいである。おかげで、今年の写真の顔も、やっぱり不機嫌なのであった。
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