シックハウス症候群と化学物質過敏症

●●日常生活の中で空気その物のありがたさを意識することはあまりありませんが、この空気が健康を脅かしてるとしたら関心なしでいられるでしょうか、、?身近な公害問題でダイオキシンや車の排気ガスについては、より身近な話題として捉えてる人は多いと思いますが、最近ではシックハウス症候群・化学物質過敏症という言葉が新聞やテレビなどでよく見られます。その他に、カビ、ダニ、建材、家具、殺虫剤や芳香剤など目に見えないものが空気を通じて人体に悪影響を与えてるとしたらとても関心なしではいられるでしょうか。

●●人間は一日の80%以上を建物の中で過ごすと言われています。建物と一言で言っても電車や車、飛行機、地下街などいろいろな閉鎖的空間の中で過ごしています。たとえば、タバコの煙を取り上げてみますと、近年では高い健康意識が高まり公共性の場所では分煙化などの対策がかなり取られています。直接、身体で感じる身近な公害でありまた、たばこの危険性の認識がだんだん拡大してきたからでしょう。

●●ところで、「シックハウス」という「病んだ家」という言葉は、すでにいろいろな症状が出てきてしまっているイメージがします。厚生労働省によると、室内の高気密化や化学物質を放散する建材、内装材の使用等により、新築・改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染等により、居住者にさまざまな体調不良が生じている状態が数多く報告されている。症状が多様で、症状発生のしくみをはじめ、未解明な部分が多く、また、さまざまな複合要因が考えられることから、シックハウス症候群といわれると定義しています。

●●2000年に国土交通省の室内空気対策研究会が全国の住宅、4,600戸を対象として、夏期と冬期にホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの4物質の室内濃度の実態調査を実施しています。調査した家の27,3%でホルムアルデヒド濃度が指針値を超えていました。しかも驚くべきことに、築1年以内の住宅よりも築4〜5年という住宅群のほうがホルムアルデヒド濃度が高くなる傾向が示されました。有害物質の放散量が多い建材や接着剤が使われていた事を示しています。

●●目がチカチカする・頭が重い・肩がこる・息苦しい・のどが痛い・全身がだるい・めまいがする・口内炎ができやすくなるなど、症状はさまざまであり本人に自覚のない場合も多いのです。感じる程度も人によって違います。このほかに、食物アレルギーを併発する例や、身体のかゆみや集中力、思考力の低下などを訴える場合もあります。新築の家やマンションを購入して入居し、すぐに頭痛や吐き気などの返照を訴えるケースもあります。あらゆる建築物にあてはまる室内空気汚染で、建材や内装材から発生する化学物質が主な原因とされています。

●●シックハウスの関連用語として「化学物質過敏症」という用語があります。これは、何らかの理由で高濃度の化学物質にされされた人の身体がその後その化学物質あるいは類似する化学物質にさらされると、一般の人が反応しないような低い濃度でも症状が現れ、その濃度がかなり低いものでも同じよう症状が繰り返されるような身体の状態をこう呼んでいます。

3大VOC:Volatile Organic Compounds (揮発性有機化合物)

ホルムアルデヒド

◆特徴
無色の刺激臭を有する気体で燃えます。ハムや魚の燻製などに含まれています。反応性が高く、多くの物質と結合して高分子化します。水によく溶け、約37%の水溶液が消毒剤として使用されるホルマリンです。揮発性で眼、鼻、のどの刺激を与えます。刺激を感じる最低の濃度は普通の人で100ug/m3です。臭いはこの10倍の濃度から感じ始めます。吸い過ぎると、涙が多くでたり、せきが出ます。気管支ぜんそくや肺の炎症も引き起こします。呼吸困難になり死亡する事もありあます。人間に対する発がん性はおそらくあるだろうと考えられています。

◆発生源
住宅の場合は、建材として使用されている合板、パーティクルボード、壁紙等の接着剤などからです。

トルエン ◆特徴
無色でベンゼンのような匂いのする揮発性の液体で燃えます。空気より重いので空気の流れがない場合は床面に滞留すると考えられます。しかし、通常は空気の流れがあるので、空気中に拡散しています。トルエンは体内に吸収されやすい物質で、眼、のど、気管などを刺激します。吸い過ぎると、涙が多く出たり、めまい、吐き気、眠気を引き起こします。慢性的に吸い過ぎると頭痛、知覚異常、精神錯乱、昏睡、卒倒などを引き起こします。呼吸障害や心臓障害で死亡することもあります。発がん性の指摘はありません。

◆発生源
住宅の場合、建材の接着剤や塗料の溶剤として混合して用いられます。そのため、トルエンが揮発して室内空気に入ります。

キシレン ◆特徴
無色でベンゼンのような匂いのする揮発性の液体で燃えます。水には溶けません。空気より重いので空気の流れがない場合は床面に滞留すると考えられます。しかし、通常は空気の流れがあるので、空気中に拡散しています。眼、のど、気管などを刺激します。吸い過ぎると、体の表面の血管が拡張するため、顔が赤くなり発熱します。さらに吸い過ぎると視覚の錯乱、めまい、ふるえ、眠気、千鳥足、昏睡状態を引き起こします。発がん性の指摘はありません。

◆発生源
住宅の場合、接着剤や塗料の溶剤及び希釈材として、通常はトルエンなど他の溶剤として用いられます。

●●室内環境空気の汚れが社会問題化するにつれて、国の機関がやっと本格的に動き出しました。厚生労働省は、シックハウス症候群の原因の一つとされるホルムアルデヒドの濃度測定を学校やホテル、デパートの新築時や大規模な改修時に義務付けることを決め、国の指針値0.08ppm◆を上回る場合には改善策を取らせるなど、ビル衛生管理法の関連政令と省令を32年ぶりに抜本改正しました。また、国土交通省はシックハウス症候群を防ぐために、2002年7月、原因と見られる化学物質を含んだ建材の使用を規制する建築基準法のの改正を行いました。これから造られるものに対する改善は急速に進むと思われますが、いま住んでいる家の問題をどう改善していくべきかを考えることも重要といえるでしょう。

環境科学フォーラム 編 :室内空気汚染のおはなし より

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