今夜は盛りの周期らしい。二階の屋根付きトイレの中でまるまる君とのそのそはお互いのニオイを嗅ぎあっていちゃついていた。今夜はケースの床材を交換しようと思っていたのに、何だか声がかけにくい雰囲気である(^_^;)。それでも、
「あの〜、ちょっと外に出してもいいかな?」
とまるのそ達に声をかけてみた。が、まるのそ達はお互いしか眼中にないらしく、無視された。フンフンと鼻を鳴らしてもう興奮状態である。
「今夜は駄目だな、こりゃ(-o-;)」
馬に蹴られて死にたくはないので、今日は引き下がることにした。まぁ明日でいいかぁ。そう諦めてケースの前から立ち去ろうとしたら、まるまる君のアタックが始まった(あ〜あ〜^^;)。
夕方、帰ってきたら珍しくまるまる君がS.A.M.の展望台で寝ていた。最近はずっと1階や2階の床の上で野良寝をしていたのに、よっぽど今日は寒かったんだな。でも寒い割にはのそのそが展望台に押しかけずに、大人しく1階のハムハウスで寝ているようだ(^^;)。
夜寝る前に、エサと水を交換してトイレの砂を綺麗にしてあげた。そのときになって、夕方からのそのその姿を1度も見ていないことに気がついた。寒いから寝室でずっと寝ているのかな?そう思いながら、まだ今日はのそのそにミルちゃんをあげていなかったので、呼び出してみた。
「のそのそ〜、ミルちゃんいらないのか〜?」
しかし、反応はなかった。最近ののそのそは耳も遠くなっているらしく、ぐっすり寝ていると気がついてくれないのだ。
仕方なく、入り口のコットンを少しかき分けると、のそのそが気がついて出てきてくれた。その姿を見て、驚いた。ゆうべまでと毛並みが全然違う。頬から脇腹、お尻にかけて、何だか濡れたような感じでボサボサだったのだ。まさか、下痢!?慌ててのそのそを持ち上げて下腹を見たが、毛がボサボサしているだけで、塗れている感触はなかった。でも…のそのそのまるで仔ハムのような頼りなげな重みに、またショックを受けてしまった。いつの間に、こんなに軽くなってたんだろう。
悲しくなりながら、そっとのそのそをケースに戻して、ミルちゃんをピンセットでのそのそに差し出した。しかし、のそのそはいつもならひったくるように奪っていたミルちゃんが分からないようだった。
「ほら…のそのそ…」
お願いだから元気に食べてくれと、のそのその鼻にミルちゃんをくっつけた。すると、のそのそが口を開けて、ミルちゃんをくわえた。ほっとした安堵のため息が――凍り付いた。のそのそが力無くミルちゃんを床に落としたのだ。ただ、くわえ損ねたという感じではなかった。
「……のそのそ……」
絶望的な気持ちになりながら、落ちたミルちゃんを拾って、のそのその口元に持っていった。しかし、のそのそは口を開けるのだが、ミルちゃんとは見当違いの所を噛むばかりだった。どこにミルちゃんがいるのか、分からないようだ。と、のそのそが間違って私の指を噛んだ。が、のそのその歯は私の皮膚に食い込まずに表面をかすっていっただけだった。噛む力が弱っている…。そう思うとやりきれない思いで胸がいっぱいになった。ゆうべまで、あんなに元気だったのに、一日でどうして……。
一昨日は35℃、今日は20℃そこそこ、その気温差がのそのそに影響してしまったのかもしれない。のそのその寝室のコットンを多くして、ペットヒーターを寝室の前につけてあげると、のそのそはすぐに寝室に入っていった。寝室の中で、新しいコットンを整えているのそのそを見ながら、頑張ってくれと心から祈った。
まるまる君を隔離しようかと思ったが、発情してのそのそを襲わなければ、肉たんぽとして使えるかもしれないので、そのまま同居させておいた。ただ、のそのそが老衰じゃなくて何かの病気だったときはそれでは困るのだけれど…。念のため、まるまる君を捕まえて全身をチェックしてみたら、臭腺の周りの毛が黄色く汚れていただけだった(-_-;)。これは明日綿棒で掃除してあげるか。
朝、布団から起きあがると、鳥肌が立った。この肌寒さ……のそのそは大丈夫だろうか?そっとのそのそが寝ている寝室のコットンをかき分けると、のそのそが薄目を開けて、私の方を向いていた。しかし、それだけで動きが見られない。嫌な予感に押しつぶされそうなどきどきを感じながら、のそのそに指をつけると、微かに呼吸している振動が伝わってきて、ほっとした。でもやっぱり具合が良くなっていないようなので、朝一番で病院に行くことにした。診察券で時間を確認しようとして――今日が休診日であることに気がついた。どうしてこう間が悪いんだろう(T-T)。
仕方なく、ヒーターをもっと寝室の側に置いた。そうしている間にも、妙にまるまる君が私の手にまとわりついてきた。この間まで怯えていたのに、今日はどうしたんだろう?まるまる君が手に乗ってきたついでに、ひっくり返して臭腺を見たら、ゆうべの汚れがウソのように綺麗にふさふさの毛並みに戻っていた。お手入れは自分で出来るのね、まるまる君は(^_^;)。
そして後ろ髪を引かれる思いで仕事に出かけた。一日、仕事をしていてものそのそが気になってそわそわと意味もなくふらついていたりしていたら、ポケットピカチュウの歩数がいつもより3,000歩ほど多かった(-_-;)。
夕方、早く帰りたいけど帰りたくないような、複雑な気持ちで家に帰ってきた。真っ先にTVをつけて、それからケースを見た。シーンとしている部屋でのそのそを見るのが怖かったからだ。ハムハウスをのぞくと、入り口はぽっかりと空いていて、すぐそこにのそのそが丸まっているのが見えた。微かに呼吸をしているのが分かり、ほっとした。
「のそのそ…」
ケースに手を入れて、そっとその額に指を這わせたが、のそのそはただじっと目をつぶって呼吸をしているだけだった。でも、生きている…。
とにかく一安心してケースの前に座り込んだら、のそのそがよたよたとハムハウスから出てきた。そして水ボトルへと来て水を飲もうとしたが、鉄球が押し切れないのか、飲めなかった。私が指に水をつけてのそのそに差し出すと、のそのそはやっぱり見当違いな所に鼻をつけた。
「やっぱりエサも水も取れないんじゃあ…?」
と不安になったが、のそのそが落ちていた煮干しにかじりついたので、安心した。食欲はあるみたいだ。…でも囓りきれないようで、のそのそはすぐに煮干しから離れていった。これはどうかと、大好きなクルミを小さくしてあげてみたら、それはちゃんと受け取れて囓ってくれた。安堵のため息。それから、水でふやかしたまんまや、小さくしたクルミ、殻を取ったひま種などをハムハウスの中に入れておいたら、のそのそは入っていってそれを食べてくれた。食べ終わると、寝室の入り口をコットンで塞いで寝てしまったようだった。
食欲が残っていることは嬉しかったが、毛並みは昨日のままで、腕から胸・お腹にかけては毛が濡れたようにボサボサだった。歩いてはいたけれど足下もおぼつかなく、ちょっとした段差でもバランスを崩して転んでいた。具合は回復に向かっていないようだ…。明日、病院へ行こう。もし病気だったらのそのそと一緒に戦おう。もし老衰で仕方のないものなら…できるだけそっとのそのそを見送ろうと、心に決めた。
朝、目が覚めると、寝たはずなのに寝てないような感じがしてだるかった。それでもすぐに起き出してのそのそのケースをのぞきたかったが、のぞくのも何だか怖いし…と布団の中で躊躇していると、ケースの方からガサガサという音が聞こえてきた。
「!?」
ガバッと起きて見ると、のそのそがエサ容器に頭を突っ込んでエサを漁っていた。
「……の、そ?」
昨日あんなにぐったりとしていたのに、どうしたんだ?しばし呆然としながらのそのそがエサにがっついているのを眺めていた。
のそのその様子を見ていると、ボサボサだった毛並みは胸辺りが綺麗になっていた。が、お尻の方はまだボサボサだった。歩き方は転びはしないが、まだヨタヨタしている感じだ。最悪の状態よりは良くなっているような感じだが、これはやっぱり病院だな。そう思って病院の診察時間を念のため確認したら、ついこの間から午前診療がなくなっているのに気が付いた(またなんて間が悪いんだ〜T-T)。仕方がないので、タウンページで市内の病院を探してみた。診察時間が早くて、小動物も扱っている病院が割と近くにあったので、そこに行ってみることにした。
行ってみると、そこは女医さんが一人で自宅の横で開業している、個人病院だった。
「一昨日から急に毛並みが悪くなって、動きもよろよろして、衰弱して…」
と、私がのそのその様子を説明すると、先生はのそのそを手に持って体中を見て、言った。
「表面上に怪我や腫瘍などはないですね」
ほーっ。取りあえず一安心(-o-;)。それから先生は、下腹部辺りをしげしげと見て、
「小さな分泌物の固まりがありますね」
と、ティッシュで取ってくれた。
「コレのせいで、お腹側の毛がボサボサになっていたのかもしれません。背中の方は綺麗ですし」
そうだったのか〜。そういえば、全身の毛がくまなくボサボサというわけではなかったな。
ふむふむと納得していると、先生がいきなり叫んだ。
「イタッ!」
さっきまで先生のなすがままにさせていたのそのそが、先生の指に噛みついたのだ。ミルちゃんもくわえられなかった、あののそのそが!?私も驚いていると、のそのそは第二第三の噛みつき攻撃を先生に食らわせた。先生もたまらずキャリングケースの中にのそのそを戻した。ケースに入れられたのそのそは、まだ怒りがおさまらないらしく、一緒に持ってきたハムハウスにガリガリと囓り付いた。
「あの、昨日はこの子、どうだったんですっけ?(-o-;)」
のそのそを見ながら先生が私に訊いた。私も呆然としながら、答えた。
「昨日は、エサもろくに食べられずによろよろしていたはず、ですが?(-o-;)」
呆れて眺める私達の前で、のそのそは今度は怒ったように元気良く、ケースの中を闊歩し始めた。のそ、お前は何なんだぁ???私の困惑具合が伝わったらしく、先生は、
「まぁ、これだけ急に回復して来るってことは、内臓系の疾患もないってことですよ(^^;)」
と、慰めるように言ってくれた。
結論として、取り立てて病気の様子はなく、恐らく温度変化に歳を取った体がついていけずに衰弱していたのだろう、とのことだった。出来るだけ温度は一定に保つようにして、柔らかめのエサをあげて様子を見て下さい、と言われた。それから、
「2歳というともうかなりの歳ですから、エサを食べなくなったら急激に衰弱しますから、気をつけて下さいね」
と先生に言われたが、今回のことでそれは身に染みた。今まで通りの世話をしているだけではいけないんだなぁ。
「でも歯の方はまだしっかりしたモンですから、元気が出てくれば固いものも食べられますよ(^^;)」
と、先生が苦笑しながら付け足した。のそ〜お前、そんなに強く先生の指を噛んだのか〜。飼い主、冷や汗(^_^;)。そうしている会話の間にも、ケースから出されたのそのそは、捕まえようとする先生の手の中からするりするりと逃げて、診察台の上をウロチョロと歩き回っていた。全く、ヤン婆なんだから〜(^_^;;)。
最後に、先生がふと言った。
「この子、痩せたんじゃないですか?」
「確かに痩せましたけど…一時期60gあったのが、今は32gですから」
「ろくじゅうぐらむぅ!?ジャンガリアンは40〜50gでも太ってるのに?(@o@;)」
やっぱり、医者から見ても太りすぎだったのか(^^;;)。でもどうしてのそのそが『元・横綱』分かたんだろう?不思議に思って訊ねると、
「だってこの子、皮が余ってる感じだから(^^;)」
と言われた。飼い主、穴があったら入りたい気分だった(-_-;;)。
薬をもらって、診察料の1,800円を払って帰ってきた。ケースに戻されたのそのそは、エサを漁ってから寝室に入っていった。のそのその今日の態度を見ているとまるで、
「勝手にヘンな覚悟をしないでちょうだい。全く、失礼なヤツ〜」
とでも言っているかのようだった。私としては弁解の余地なし(^^;;)。とにかく、思ったよりのそのその具合が良くて(良くなって^^;)、診察料も安かったので、良かった〜。今朝までの暗雲たる気分も吹き飛んでしまった。
後でまるのそ達のホームドクター・Mさんに訊いてみたら、のそのそはたぶん疑似冬眠だったんだよ、と言われた。春先や今のような暖かい季節でも、気温差が激しいと疑似冬眠してしまうことがあるとのこと。何度以下とかではなく、暖かくても気温差が生じると疑似冬眠に陥る可能性があるなんて、初めて知った。確かにのそのそがおかしくなったのは、最高気温が35℃から急に20℃そこそこに下がった後だった。それに、20℃以上あるのにペットヒーターをつけてケース内を暖めてあげたら、瀕死の様子ののそのそが元気になってきたのも納得できる。私としては、
「35℃なんてハムには危険、20℃なら適温に近いから、涼しくなって良かった」
という感覚だった。実はそれが大間違いだったのだ。暑いなら暑い、寒いなら寒い、の方がまだハムには楽なのだ。だから連日暑い日が続く夏よりも、日中は暖かく夜に冷え込む秋の方が、ハムには危ないという。今回、のそのそには私の無知で危険な状態にしてしまったけど、これからは気をつけるから許してくれ(T-T)。
ゆうべから、S.A.M.のゲージに隔離されたまるまる君は、回し車の中に巣を作って寝ていた。何だか久しぶりの独りは落ち着かないようだった。まるまる君にしてみれば、新しく巣を作る度にのそのそに占領されてきたので、いつのそのそが襲ってくるかと思うと落ち着かないのかもしれない(^^;)。
昨日も今日も室温は25℃ぐらいあったのだが、ペットヒーターをのそのそのケースに入れてあげていた。いくら何でも暑いんじゃないのかな〜とは思うのだが、のそのその様子を見ていると、暑くはないようだ。ハムハウスの中に籠もって入り口を中からコットンで塞いでいるところを見ると、のそのそにはちょっと寒いくらいのようだ。ケースの蓋を全開にしていても暑がってトイレ砂の上で涼んでいるまるまる君とは対称的だ。
夕方、カット果物のセット(1P100円で5種類の果物が入っていて、ハムエサに重宝^^;)を買って、小さく切ってのそのそケースに入れてあげた。さんさんと輝くペットヒーターにフルーツの盛り合わせ…何だか本当に南国チックなケースだなぁ(^^;)。寝室から出てきたのそのそがトイレットペーパーの芯の中に入って、上向きに寝転がって芯の端をガジガジしているのも、まるで砂浜に体を埋めている海水浴客みたいだった(^^;)。
トイレットペーパーの芯以外にも、のそのそはハムハウス(プレスチック製)の入り口を囓っていた。ということは、かなり囓る力が戻ってきたようだ。食べ残した餌を見ると、一昨日は全く歯が立たなかった煮干しが、今日は背中とお腹に囓った跡が見られた(^-^)。それに、トイレ砂に塊が2・3個あったので、寝室から最も離れているトイレにちゃんと行っているということだ。こういうことが確認できるとは、毎日ちゃんとトイレ掃除していてつくづく良かった〜(^o^)。