THE LAST BOUT

 ここはイルム・ザーン、太古の昔に天空より落ちた都市である。今、この廃虚を進み行く数人の人影があった。異世界よりの迷い人
了、牙人族のアルザ、フォーウッドのキャラット、そして妖精フィリーである。
「まったく、メイヤーはどこに消えたんだ!」
 周囲を見渡しながら了が言った。彼らのパーティのもう一人のメンバーである、(自称)考古学者のメイヤーが、突如として消えて
しまったのである。
「いきなり消えたんやから、またいきなり出てくるんちゃう?」
「あのなアルザ…」
 あきれ顔をする了。
「私たちの一番後ろを歩いてたんだけどいつの間にかいなくなっちゃたのよ。珍しい物があったからってまた勝手にどこか行っちゃっ
たんじゃないの?」
 フィリーがそう言った。
「最近のメイヤーは俺たちに黙ってそんなことはしなくなったぞ。あの夜、二人で遺跡に行ってから…」
「了さん、夜に二人で遺跡に行ったってどういうこと!?」
 キャラットが怒った顔になる。
「いや、それはだな…」
 必死にとりつくろうとする了。その時急にアルザが叫んだ。
「了、止まるんや!そこに罠があるで!」
「えっ!?」
 アルザの声で了は足を止めた。
「ほら、そこの床見てみい。微妙に色が違うやろ?」
「ボクにはわからないなあ」
「うちにははっきり見えるで。だけど昔からある罠やないな。ついさっき作られたばっかりのトラップや」
「レミットのパーティは足止めしてあるから、これを作ったのは…」
「はーはっはっはっは、その通りだ!」
 暗闇の向こうから笑い声がした。三つの人影が了たちのパーティに近づいてくる。
「カイル!」
 了が叫んだ。魔族の青年カイル・イシュバーンが口を開く。
「ふっ、待ちわびたぞ了よ。貴様らのために無数のトラップを用意してやった」
「用意したのはあんたじゃないでしょ、まったく」
 リラが怒った顔をする。
「なにを言う!貴様は俺の下僕だ。下僕が作った罠はこのオレが作ったも同然!」
「ちょっと、誰があんたの下僕なのよ!?」
 言い合いを始めるリラとカイル。それをカレンがなだめる。
「ほらほら二人とも、同じパーティなんだからケンカしないの」
 その様子を了たちはただ見ていた。だが、フィリーがあることに気づき、こんなことを言い出した。
「ちょっと了、あいつら一人足りないわよ」
「えっ?あっ、そういえばそうだ。あの和服の娘…若葉だったか?彼女がいないんだ」
「ふっ、あいつは別行動をとっている」
 リラとのケンカをやめ、カイルが答えた。
「別行動だって?」
「そうだ。貴様らのパーティからあのメガネ女が消えたが、それはこちらの策略だ。そしてヤツの元には若葉が向かっている。最強の
魔法使いがな!」
 そう言ってニヤリと笑うカイル。それを聞いた了が言った。
「最強?いつもことあるごとにすっ転んで、真っ先に戦闘不能になる彼女がか?」
「黙れ黙れ!確かにあいつはとろくてドジで鈍くておっちょこちょいだが、魔法力は強いのだ!メガネ女など粉砕してくれる!」  その時、どこからか大きな爆発音が聞こえた。
「これは!?」
「ふっ、どうやらヴァニシング・レイの音のようだな。若葉とメガネ女の物理魔法合戦が始まったに違いない」
「大変だよ!了さん、メイヤーさんを助けに行かなきゃ!」
「ダメよキャラット!この周りにはあいつらが仕掛けた罠がたくさんあるのよ!」
 走り出そうとしたキャラットをフィリーが止めた。
「そっか…。うかつに動けないや…」
「ふわははははは!この無数のトラップ、解除できるものならしてみるがいい!」
「だからあんたがいばるなっての」
「何をー!!」
 またカイルとリラがケンカを始めた。それをカレンがなだめる。つまりは先ほどと全く同じ光景だ。それを見た了が言う。
「まったく進歩のない連中だ…。ところでアルザ、罠の解除、できるか?」
「任しときい!」
 そう言うとアルザは次々とトラップを解除していった。さすがは手先が器用な牙人族である。
「ほい、これで最後や」
 アルザのその言葉でケンカをしていたリラとカイルが動きを止めた。
「あのさ…本当に全部解除しちゃったの?」
「もちろんや。うちにかかればちょろいもんやで」
「何てこと!あの罠を作るのに結構お金かかったんだから!」
「ふっ、使えんな」
「何よ!そんなこと言うならあんたが自分でやりなさいよ!」
 三度目のケンカが始まった。その間に了がアルザに話しかけた。
「おいアルザ、あのリラってヤツ、おまえに罠を解除されてかなり頭にきてるぜ」
「そやな」
「そこで頼みたいんだけど、あいつを挑発して、どこかに連れていってくれないか?」
「なんでや?」
「戦力を分散させた方が戦いやすい」
「なるほどな。わーったわ」
 そしてアルザはリラに向かってこう言ったのである。
「おーい、リラ!どうやらうちの方が手先が器用なようやな!悔しかったらうちを捕まえてみい!」
「なんですってえ!?」
「ほな、行くでえ!」
 そう言うとアルザは逃げ出した。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
 リラもアルザを追って走り出した。残ったのは、了、キャラット、カイル、カレン、そして戦力外のフィリー。
「ねえ、了さん」
 キャラットがカイルたちには聞こえない声で言った。
「何だ?」
「ボクもアルザさんみたいに相手を引きつけるよ」
「できるのか?無理はするなよ」
「うん、わかってるよ」
 そう言うとキャラットは−。
「ウサギキーック!」
 いきなりカレンめがけてロケットキックで突っ込んでいった。吹っ飛ぶカレン。了たちはあっけにとられた。
「やったあ!奇襲大成功!」
 喜ぶキャラット。吹っ飛んだカレンがむっくりと起き上がったが、その顔は怒りの形相になっていた。そして−。
「悪いコにはお仕置きよ!」
 そう言ってキャラットを攻めるカレン。キャラットはその攻撃を全て避けている。
「へへへ、こっちだよ!」
「こら、待ちなさい!」
 そう言ってキャラットとカレンもどこかへと走り去った。こうして、残ったのは了、カイル、フィリーの三人となった。
「ふん、あんな単純な手に引っかかるとは、二人そろってつくづく使えん連中だ」
 吐き捨てるようにカイルが言った。それに対し了は−。
「おいおい、自分の仲間に向かってそれはないんじゃないのか?」
「仲間?ふん、オレはあいつらを仲間と思ったことはない。さっきも言ったように、やつらはオレの下僕だ」
「…おまえ、相変わらずだな」
 了のこのセリフにカイルはちょっとだけ反応した。
「相変わらずとはいったいどういう意味だ?」
「いつだったか、河のほとりでおまえが仲間と水晶玉で通信してたことがあっただろ?あの時、おまえに仲間の何たるかを教えてやっ
たつもりだったんだけど、そんなセリフが出るなんてことは、俺が言ったことをまるで理解してないみたいだな」
「ふん、あの時のことか」
 カイルが鼻で笑う。そして続けた。
「あの時のことは全て忘れた。なんせこのオレの人生の中で最大の汚点だからな」
「汚点?」
「貴様と協力してしまったこと、それはオレにとって恥ずべき行為だ」
「俺はそうは思ってないけど」
「黙れ!剣を抜け!今日こそ貴様との決着をつけてやる!!」
「最初からそのつもりだよ。だからこそ邪魔が入らないようにした。それに、これがおそらくおまえとの最後の戦いになる」
「最後?どういう意味だ?」
 そのカイルの問いかけに了は言葉で答えず、その代わりにある方角を指さした。カイルがそちらに目をやる。
「!あれは…!」
「あれがきっとロクサーヌの言ったストーンサークルだ。ここでおまえらを足止めすれば、俺たちが一番にあそこに到着できる」
「なるほどな。だがそれはオレたちにも言えること。貴様らをここで叩きのめしておけば一番乗りはオレたちだ。抜け、勝負だ」
「ああ」
 そして了とカイルは互いの武器を抜いた。了の武器は2メートルはあろうかと言う大剣。一般にバスタードソードと呼ばれる物だ。
一方のカイルの武器はスタンダードな形の剣。しかし刀身は黒く光っていた。
「今日こそこの黒魔剣のサビにしてくれるわ」
 このカイルの言葉に、了は冷静に言った。
「戦いの勝敗を決めるのは武器じゃないぜ」
「ほーう、ではなぜ貴様は何度も武器を変えた?武器の種類まで変えていたではないか。ガミルの洞窟ではオレの剣と同じような物を
使っていたのに、次に会った時にはレイピアだった」
「いろいろと試してたんだよ。どういう武器が俺に合うかなってな。レイピアの次はジャベリンだし、ダガーの二刀流やモーニングス
ターなんかを使ったこともあったな。結局は大剣に落ち着いたけどね」
「ふん、まあそんなことはどうでもいい。さあ、行くぞ」
「いつでも来な」
 そうは言ったものの、それからしばらく二人は微動だにしなかった。その間にフィリーはどこかに隠れてしまった。
「もう…何回目かな…」
 突然、つぶやくように了が言った。
「何がだ?」
「こんな風におまえと戦うの」
「そんなことをいちいち覚えているはずないだろう。それに過去の勝敗などどうでもいいのだ。重要なのはこの最後の戦いで勝利する
か否かだ」
「それはそうだな」
 そしてまた沈黙が続いた。次にこの沈黙を破ったのはカイルだった。
「もう貴様の顔も見飽きた…この状態でいても何も起きん。そろそろオレから仕掛けさせてもらうぞ!炎の精霊よ、我が剣に宿り力と
なりたまえ!フレイム・アーム!」
 カイルが魔法を唱えると、彼の武器、黒魔剣が炎に包まれた。
「この剣で貴様を斬る!どおりゃあ!!」
 カイルの一撃が了を襲う。了はそれを大剣で防いだ。
「これを防ぐとはな!しかしこれならどうだ!」
 続けざまにカイルが了を攻めたてる。了はその攻撃をことごとく剣で防いでいたが−。
(まずいな…このままじゃこっちの武器が破壊されちまう…!)
 そしてとうとう大きな音とともに了の大剣が中心から真っ二つになってしまった。
「ふ…ふわははははは…勝った、勝ったぞ!武器を破壊されては何もできまい!」
 勝ち誇ったように笑うカイル。了は折れた剣をじっと見て、そしてこう言った。
「こうなったら仕方ないか…」
「そーうだ、仕方ないのだ!今ここで敗北を認めれば、命だけは助けてやろう。ただし、その後の貴様の人生は、このオレの奴隷だが
な!!」
「バーカ、そういう仕方ないじゃないんだよ」
 そう言うと了は剣を捨て、構えをとった。
「ん?何だその構えは?」
「言ってなかったけど、俺、元いた世界で格闘技やってたんだ。空手っていうんだけどな。まあ、こっちの世界の戦士から見れば猫の
じゃれあい程度だったけど、基礎はできてたし、素質もあったから俺も旅してる中でかなりレベルアップした」
「それでこのオレに挑もうというのか?はっ、バカバカしい!体術で剣術に勝てるわけがなかろうが!」
「確かにただの体術じゃ勝てっこないさ。だけどこっちには秘策があるんだよ」
「秘策だと?」
「ああ」
 了は自分の左腕を天にかかげ、何やらつぶやきだした。
「空に轟く雷鳴よ、地に落ちその力をもって敵を撃て!ライトニング・ジャベリン!!」
「くっ…!!」
 防御の構えを取ったカイルだったが、何と稲妻はカイルでなく了に落ちたのだった。
「バカめ!自爆しているわ!」
 だが、そのカイルの解釈が間違いであると気づくのに時間はかからなかった。了は全くの無傷だし、逆にか左腕が帯電している。
「貴様、まさか…!」
「そうだ。この左腕に雷の力を宿らせたんだ。おまえのが魔法剣なら、俺のは魔法拳ってところかな?そして…」
 次に了は右腕を地につけまた魔法を唱える。
「大地の精霊よ、我が体に宿り鎧となりたまえ…アース・シールド!」
 すると了の右腕が見る見るうちに別の材質に変わっていった。鉄か、あるいはそれ以上の硬度を持った物質のようだ。
「貴様、その腕はいったい…!?」
「驚いたか?ふつうのアース・シールドは体全体を薄い防護壁で覆う魔法だけど、一ヶ所に力を集中させればこんなこともできるんだ
よ。少し重いのが難点だけど、そこらの盾より防御力は高いぜ」
 そして了は再び構えを取った。
「さあて、こっちは準備OKだぜ。いつでも来な。おまえがバカにした体術の強さを見せてやるよ」
 不適にカイルを挑発する了。
「はっ、はったりに決まっている!どうあがこうが素手で剣に勝てるわけがない!」
「だったらかかってこいって言ってるんだ。それとも負けるのが怖いのか?」
「抜かせー!!」
 そう叫びカイルは了を攻めたてた。さっきよりもスピードが上がっている。だが了はその攻撃を強化された右腕で受け止めている。
(何だこの硬さは!?さっきの大剣よりも硬いではないか!?)
 そうして動揺したカイルの一瞬の隙をつき、了は右腕で黒魔剣を振り払った。
「し…しまった!!」
「くらえ!ライトニング・ナックル!!」
 電気を帯びた左腕で、了がカイルの顔面に一撃を入れる。
「ぐわああああああああ!」
 吹き飛ぶカイル。勝利を確信したと言わんばかりに、了は拳を高々と空に掲げた。
「う…ぐ…」
「ん?」
 了が見ると、カイルが剣を支えに立ち上がろうとしていた。
「もう勝負はついた。今のをまともに顔に受けたんだからな」
 了が言うが、それでもカイルは立ち上がった。そして剣を構える。
「カイル…おまえ、まだやる気か?」
「愚問だ。死なない限り負けは認めん。このような雌雄を決する戦いならばなおさらのことだ!」
「…どうしてもやるのか?」
「何度も同じことを言わせるな!」
「それじゃ仕方がないな…」
 そう言うと了は両腕にかかった魔法を解いたのである。
「!?貴様、なぜそんなことをする!?」
「全力で向かってくる相手には全力で戦うのが礼儀。これから俺の最大の必殺技をおまえにぶつける。それをくらって立ち上がれるよ
うだったら俺は負けを認めてやるよ。奴隷にでも何でもなってやる」
「な…んだと…?」
「それくらいこの技に自信があるってことだ。どうだ、受けるか?」
「そのような問いかけがすでに笑止!来るなら来い!」
「それじゃ、お言葉に甘えまして…」
 了は今度は両腕を天に伸ばした。そしてまた呪文をつぶやく。
「光よ、我が元へ…ヴァニシング・レイ!」
 先ほどのライトニング・ジャベリンの時は天空から力をもらったが、今回は空気中の粒子を集めている。その途中了がカイルに言っ
た。
「さーてカイル、ヴァニシング・レイの原理はわかってるよな?」
「空気中の火の粒子を集め、それを凝縮、拡散させて敵にダメージを与える魔法…だったな?」
「そうだ。これから俺がやろうとしてる技はな、粒子を集めて凝縮させるところまでは同じだけど、拡散させず自分の体内に取り込む
んだ。そしてさらにそれを一ヶ所に集中させる」
「な…!!」
「どういうことかわかるか?集められたエネルギーによってその部分は驚異的な破壊力を持つことになるんだ!」
「しかし、そんなことをしたら貴様の体は…」
「それで壊れる柔な体だったらはなからこの技は使わないぜ。さあ、そろそろパワーも溜まる。やめるなら今のうちだぜ」
「だ、誰がやめると言った!来るなら来てみろ、返り討ちにしてくれるわ!!」
「そうか。それじゃ行くぜ!」
 そして拳を固めカイルに突っ込んでいく了。カイルは剣を構え直した。
「うおおおおお!」
 了は右腕でパンチを放つ。しかしそれはカイルの剣に止められた。黒い刃が了の腕に食い込む。
「ぐわあっ!」
「勝った!あとはキックで貴様を蹴り飛ばせば…えっ!?」
 何と、今度は了の左腕が飛んできた。
「右腕はおとりだ!肉を斬らせて骨を絶つ、俺の世界に伝わる武術の極意だぜ!」
「しまっ…!!」
 今度はカイルに了の攻撃を防ぐ術はなかった。
「ヴァニシング・ブレイク!!」
「ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 その一撃でカイルの鎧はこなごなになった。そして了のパンチがアッパーだったため、カイル自身は天高く飛んでいった。
「カイル!」
 了は走り出した。カイルを受け止めるつもりである。今の一撃でカイルは気を失っているだろう。その状態で地面に叩きつけられた
ら確実に死んでしまう(もっとも、技をくらった時点で死んでしまった可能性もないわけではないのだが)。だから了は走った。そし
て何とかカイルをキャッチすることができたのである。
「ふう、危なかったぜ。死んではいないみたいだな」
 カイルが気を失っているだけであるということを確認すると了は左腕に魔力を集めた。攻撃のためではなく、治癒のために。
「肉を斬らせてって言ったけど、この世界では斬られても魔法で治せるからいいよな…ヒーリング・ウェイブ」
 了が魔法を唱えると、カイルに斬られた右腕から傷が消えていった。
「これでよしと。ついでだからこいつにも…」
 了はカイルにも回復魔法をかけた。その時、遠くから声がした。
「了さーん!」
「了!」
 キャラット、アルザ、そして行方不明になっていたメイヤーが了の方へと向かってきていた。うーん、主人公が相手を倒したら全員
集合するとは何という御都合主義。
「みんな、大丈夫か!?それぞれの相手は!?」
「カレンさんはボクを追いかけてるうちに疲れて倒れちゃったよ」
 とキャラット。
「リラは物かげに隠れて後ろから当て身くらわしたら、一発でのびてしもうたわ。何や、手先が器用なだけで、戦闘はあまり得意やな
かったみたいやな。うちみたいに何でもこなせるようにならんとあかんで」
 そう言うアルザは得意顔だ。
「メイヤーは?」
「一人になった時はさすがに不安になりましたが、若葉さんでしたか、あの方が了さんたちの居場所を教えてくれて…。壁を壊して直
進すれば近道ですよって、ヴァニシング・レイで壁を破壊してくれたんですよ。さすがに一人分じゃ無理でしたから、私も一緒に撃ち
ましたけどね」
「‥‥‥‥」
 了たち三人はあきれて物も言えないようだ。
「あの娘、最後の最後まで大ボケだったわけね」
「わあっ!?」
 いつの間にか三人の背後にフィリーがいた。
「フィリー、おまえ、いつの間に!?だいたい俺とカイルが戦ってる間どこにいたんだ!?」
「どこだっていいじゃない。それよりもさ、みんなやっつけちゃったんでしょう?」
「ん?まあ、そうだな」
「じゃあ早く行きましょうよ。あそこに見えるのが目指すストーンサークルでしょ?」
「その通りです!さあ、今こそこの遺跡の謎を解き明かすのです!」
 張り切るメイヤー。
「よし、それじゃ行くか!」
「おうっ!」
 だが彼らは知らなかった。ストーンサークルを守る守護者の存在を−。
 「一回休んでから、もう一度挑戦します」
<了>

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