「こんにちは、キャラットだよ!毎週一度のお楽しみ、『キャラットのお気楽人生相談』の時間です。今日もボクがいろいろな人の悩 みを軽〜い気持ちで一刀両断しちゃうからね。パートナーはおなじみのこの人!」 「主人公だ。名前が主人公。つまり、主人公という名の主人公ということだ」 「それじゃあさっそく最初の相談行こうか?」 「あっ、ちょっと待ってくれ。その前にどーしても言っておきたいセリフがあるんだ」 「えっ、またあれやるの?」 「別れちゃいなさーい!」*注1 「…毎週やってるのに上達しないね…」 「わかってる、似てないことはわかってる。でも、俺の中では人生相談って言ったらこれなんだよ。だから毎週やらないと気が済まな いんだ。さてそれじゃあこの話題はここで切って、相談に行こう」 「うん、そうだね」 「まずはハガキでの相談。えーっと、匿名希望の20歳魔族の男性から。『四人パーティを組んで冒険をしているのですが、行く先々 で別のパーティにぶちのめされてしまいます。この間なんか七歳も年下の女の子が率いる五人パーティにぼこぼこのフクロにされまし た。しかも五人のうち一人を戦闘に参加させないという余裕まで見せつけられてしまいました。もう生きていく自信がありません。オ レは…いや、オレたちはこの先いったいどうすればいいのでしょうか?』…ってことなんだけど…」 「四対一で戦ったの?無謀だなあ…」 「いやそれが他の三人がみんな倒されちゃって、残ったところをフクロなんだって」 「うわーっ、悲惨だなあ…」 「それでキャラット、この人に何かアドバイスできることはないかな?」 「うーん…『やられたらやり返せ』…かな?」 「結構過激だなおまえ…」 「そうかなあ?その女の子たちを倒せるまでひたすら鍛える、それがいいんじゃないかな?」 「ところがさあ、その娘たちに持ち金の半分をぶん取られて、ろくに育成もできない状態なんだって」 「ふーん…。それじゃあジョギングだ!ジョギングだったらお金をかけずに体を鍛えられるよ!」 「そういえばキャラットもよく走ってるよね?」 「うん。ボク、毎朝50キロのロードワークを欠かしたことがないから」*注2 「(どっかで聞いたようなセリフだな…)」 「あれ?主人公さん、どうかした?」 「いや、何でもない…。それじゃ匿名希望の20歳魔族さん、わかったかな?とにかく走って走って走りまくって体を鍛えて、その女 の子たちと再戦だ!」 「がんばってね!」 「じゃあ次のおハガキだ。おっ、キャラットと同じフォーウッドからの相談だよ」 「へえっ、そうなんだ」 「えーっと、たぶんごさいぐらい…って何だこりゃ?」 「ごさいぐらい?」 「だってそう書いてあるんだもん。ほら」 「本当だ…って、これ…」 「どうしたの?」 「う、ううん、何でもない…(これ、セロからだよ。直接ボクに相談すればいいじゃないか…)」 「まあいいや。それじゃハガキ読むね。『おはなやさんでアルバイトをしていますが、おはなってけっこうおもいのでたいへんです。 どうすればたいへんでなくなるでしょうか』…うーん、かわいい相談だね」 「そうだね。ボクもお花屋さんで働いてたことがあるけど、最初のうちは大変だったな」 「そうなんだ。その時はどうしたの?」 「ジョギングして体を鍛えて…」 「そのころからそんなことやってたのかよ…」 「だってボク走るの大好きなんだもん」 「ああ、わかったわかった。それじゃそういうことだ。五歳ぐらいのフォーウッドちゃん、君もジョギングで体を鍛えるべし!…って ことでいいのかな?」 「うん。がんばってね!」 「なんかおまえ、さっきから同じ締めの言葉使ってないか?」 「えっ?そうかな?」 「うーん、ま、いっか。それじゃあ今度は電話での相談だ。キャラット、受話器取って」 「はーい。もしもし?」 『もしもし』 「あっ、なんか変な声」 「毎週そうだけど、プライバシーの保護のために機械で音声を変えてるんだ」 「うん、プライバシーって大切だもんね。えーっと、名前と種族は?」 『妖精のFとしてください』 「妖精のFさんだね?」それで、どんな悩みなの?」 『実は私、ある人たちとパーティを組んで旅をしているんですが、その仲間たちとうまくやっていけていないんです。メガネをかけた ちょっとマッド入った女の子には歴史の講釈を延々と聞かされるし、青髪のちょっと被害妄想入った女の子はすぐにいじけて…』 「ふーん、大変だあ」 『しかも本当は彼女たちの他にあと二人メンバーがいるんですが、二人とも私に何も言わないでどこかに行っちゃうことがよくあるん です。それと、その二人のうち一人は男性なんですけど、パーティの女の子たちみんなに手を出す女たらしなんですよ!』 「うわあ、なんかひどいなあ…。ねえ主人公さん?」 「うん、そうだね…」 「私、いったいどうしたらいいんでしょう!?」 「うーん…。あのねFさん、ここでとりあえずCM入れるから、受話器そのままでちょっと待っててね」 『はい』 「(なんだよ、キャラットだってみのもんたやってるじゃないか…)」 「それじゃあコマーシャル!」 <CM> エターナルメロディから出たゴミは、しかるべき所に捨てましょう。SEKKYのホームページ「エタメロのゴミ箱」は、インター ネット上で大好評(?)公開中です。 <CM終わり> 「でねーFさん、さっきのFさんの話を聞いてねえ、某おもいッきりテレビみたいにFさんの周囲の環境をホワイトボードに書き出し てみたの」 『はい』 「それでキャラット、これを見ていったいどんなアドバイスができる?」 「うーん…ジョギングをしよう!」 (ゴガッ!!)*注3 「きゃう!」 「前二つの回答からもしかしたらやるんじゃないかと思ってたけど、本当にやったよこいつは!思わずコンバット越前の声で『やりや がったな!』とか言いそうになっちゃったじゃないか!!」*注4 「そーゆー一部の人にしかわからないネタはやめようよ…」 『あの…私のこと忘れてない…?』 「あっ、ごめんなさい。ねえキャラット、何かジョギング以外のアドバイスできない?」 「そうだねえ…。よくいなくなる二人がいなくなった時に、Fさんは何してるの?」 『何って…ただ待ってるだけ…』 「それじゃあダメだよ。残ってる二人と一緒に探しに行かなきゃ。それでみんなで探してるうちに、その二人とも仲よくなって、パー ティの結束も強くなるよ、きっと」 「おお、なんかまともな回答だ。確かに一緒に同じことをやった人間同士は、その結びつきが強くなるという話がある」 「だからね、今度二人がいなくなった時に…」 『わかりました、やってみます』 「がんばってね!」 『はい、ありがとうございました』 (ガチャン)*注5 「さて、今日の相談はこれで終わり。また来週だ!」 「どんな悩みが来てもボクと主人公さんが解決してあげるからね。おハガキ、お電話、待ってまーす!」 「それじゃあ、また!」 <オンエア終了> 「ふー、終わったね、主人公さん」 「そうだな。それじゃさっさと帰ろうぜ。週一でこんな仕事やってるってフィリーたちに知られたら何言われるわからないしな」 「うん。それにしてもさっきの妖精さんの仲間って、まるでメイヤーさんとウェンディさんみたいだったね」 「それより、妖精自身フィリーみたいだったよ」 …気づけよおまえら…。 <了>
*注1:みのもんたのまねで。 図書室へ |