ウサギを極めし者

 彼女は再び数珠を首にかけた。もう二度とかけることはないと思っていた、あの呪われた数珠を。
 そして、その魔力によりかわいらしい彼女の顔は鬼のような物になる。

「ふふふぁーっ…ふあああああ!!」

 そんな彼女の変貌を物陰から見ている青年がいる。彼はその身を震わせていた。

「なんで…なんでまたあの数珠をつけちゃうんだよー!?」

 思わず絶叫する彼だったが、その声に少女が気がついた。
 ニヤリと笑うと、地面を滑るようにして彼女は青年に迫る。
(ツツー、ガシ)
 少女が青年を捕まえた瞬間、周囲が光に包まれた。
(ドガガガガガガガガガガガガガ…)

「ぐぎゃああああ!!」

 光の中響く打撃音と青年の叫び。光がおさまった時、彼は地面にひれ伏していた。
 そのかたわらには仁王立ちをする少女。そして彼女は言う。

「我が名はキャラット!ウサギを極めし者なり!」

(文・SEKKY)

 「エタメロのゴミ箱」5000アクセス記念にくたぽでぃさんに描いていただいた「ウサギを極めし者」です。
元ネタはもちろんストリートファイターシリーズの「拳を極めし者」こと豪鬼です。
 なぜこんな物をお願いしたのかは、SEKKYが書いたエタメロSS「極!」を読んでいただければわかると思います。
ここにありますので読んでみてください。

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