道着トリーシャ

試合が始まってから、もうどのくらいの時が過ぎただろう。
覆面の男と一人の少女の闘いは、まだ終わりを告げようとはしなかった。
一瞬の静寂。次に技を仕掛けるのはどちらか。

「よーし、いっくぞー!!」

少女が先に動いた。一瞬で男との間合いを詰める。
そしてその足からすばやくキックを繰り出したのである。

「トリプルトリーシャトルネード!!」

彼女の足はまず男のすねを捕らえた。
そのまま横に一回転した少女は、次にボディにキックを叩き込む。
そしてさらにもう一回転して、最後は顔面へのハイキックだ。

「ぐっ…!」

この連続攻撃に男がよろめく。だがまだ倒れはしない。
なんとか持ちこたえていた覆面戦士だったが、そこに少女の手刀が迫る。

「激・ハイパートリーシャチョーーーーーーーーーーップ!!」

強力な一撃が、男の眉間に叩き込まれた。
そして彼はもう立ち上がれず、自らの敗北を告げる10カウントを聞くことになったのである。

「うっしゃあ、やったぜトリーシャ!!」

少女に駆け寄る一人の青年。
彼女は、彼に向かって親指を突き立てた。

(文・SEKKY)

 「悠久のくずかご」10000アクセス記念にくたぽでぃさんに描いていただいた「道着トリーシャ」です。
発作的にこんなのが見たくなったのでお願いしました。
 ところで、イラストのトリーシャの胸元はお約束ってことで、ね(核爆)。

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