佐賀とゲッツ

 2003年6月1日に渋谷HMVにて行われたイベントの模様です。
 それはまさに偶然でした。5月31日に、ヤボ用で渋谷に行きました。用事を済ませてこの後どうしようかと雨の渋谷をさまよい歩
いていると、CDショップのHMV近くに来ました。そういえば通常の行動範囲にない欲しいCDがあったことを思い出し、この店な
ら間違いなくあるだろうと入ってみました。そのCDとはお笑い芸人「はなわ」の「佐賀県」。予想通りあっけなく見つけて手に取っ
たのですが、そのすぐ側のCDジャケットに、どこかで見たことのある黄色いタキシードの人物がいました。こ、これは「ダンディ坂
野」!?現在、得意ギャグの「ゲッツ!」でブレイクしている芸人さんです。CDなんか出してたのか!?曲名は「OH!NICE 
GET’s」。やっぱりゲッツか!かなり彼のことを好きな私は迷うことなくそのCDを手に取りました。そして裏面を見てみると、
何かついていました。イベントの整理券でした。「サイン&握手[ゲッツ]券」と書かれており、そのイベントの日時は…明日じゃな
いですか!店内を見ると確かにそのイベントの告知がしてあります。…って、よく見るとそのすぐ上にははなわのイベントの告知も書
いてあるじゃないですか!しかもダンディイベントの直前です。それで先ほど手に取った「佐賀県」のCDをよく見てみると、やっぱ
りこちらにもイベント整理券(握手券)がついてました。こりゃあ両方とも参加するしかないなと、二つをレジに持っていきました。
なおその際、会計後にCD本体を持たずにレジを離れそうになってしまい、店員さんに呼び止められるという失態を演じてしまいまし
た(おい)。
 その後は同じ店の別のフロアを見たり本屋やゲーセンやその他で時間をつぶし、夜遅くにもう開いている店が少なくなったころにイ
ンターネットカフェに入ってネットをやったり仮眠をしたりしました。

 翌朝、適当な時間でネットカフェを出て近くのファーストフード店で朝食。イベントははなわが13時30分、ダンディが15時開
始です。午前中丸々あいています。で、やっぱり時間をつぶすにはゲーセン。幸い、HMVの目の前が50円ゲーセンだったのでずっ
とそこにいました。それでやっぱりファーストフード店で昼食を取ったら13時少し過ぎにイベント会場に向かいました。
 会場につくとかなりの人だかり。実はこのイベントそのものは観覧無料です。その中でも整理券を持っている人が優先的に前の方に
行け、握手なんかができるというわけです。券を持ってない人の横をすり抜け、整理券を提示。記念品の紙製のうちわをもらって前の
方に行きましたが、それでも前から四列目ぐらいでした。会場にはステージが作られていて、その後ろでは「佐賀県」のプロモーショ
ン映像が繰り返し流れていました。で、最初についた所で待っていたんですが、なんと日本テレビのインタビューを受けてしまいまし
た(マジ)。いろいろ聞かれたんで答えたんですが、はなわイベント前のインタビューで「はなわさんとダンディ坂野さんどちらが好
きですか?」という質問に「ダンディさん」と答えたのはやばかったか。まあ、編集でどうにかしてもらえるでしょう(でも結局使わ
れなかったようです…)。なお、私の後ろにもどんどん人は入り、かなりの観客数となりました。券のない人もいれると会場がぎっし
りです。
 それから少しして、お店の人から諸注意が言い渡されました。そしていよいよイベント開始です。まず司会の「ハミングステッチ」
という漫才コンビが登場し開幕のMC。そしてその後、ついにメインのはなわ氏が愛用のベースを持って登場しました!おお、角だ角
だ、生角だーっ!(そこに感動するなよ)はなわさん、あまりの人の多さに「すっげえな渋谷〜!」とびびってましたね。それでも冷
静を装いながらCDがオリコンで初登場9位という偉業の報告とそのお礼をしたり、とにかく腰の低いしゃべり方で話をしてくれまし
た。いい人です。
 笑いもたくさんあったトークが終わった後、まずはCDのメイン曲である「佐賀県」(第二章)を熱唱。テレビで聞いたことのある
曲ですが、やっぱり生で聞くと全然違う!もう会場ノリノリで、笑うポイントではみんな大爆笑。すっごい盛り上がりです。歌の途中
で観客にみんなも一緒にと呼びかけるパートがあるんですが、そのパートを待つまでもなく歌っていた人多数でした。なお、そのパー
トで観客がノってくれない時には「言うまでやめねえぞ〜」と言うくだりがあるのですが、それを言うまでもありませんでした(でも
とりあえず言ってみたはなわさん)。この歌の後には自己紹介の歌、母さんの歌、子供のころ西武の清原(当時)に野球場で「うるせ
え!」と怒鳴られた歌などを歌ってくれました。これらの合間にはトークや物まねコーナーなどもあり、彼が有名になったきっかけの
(?)「ボールを見逃した松井」も披露してくれました。そして最後には、CDにも入っている「故郷」を、いつものベースでなくギ
ターで弾き語ってくれました。特別バージョンということで、ゆっくりしみじみと歌ってくれました。
 そんなこんなでイベント前半が終了。後半は握手会です。ステージ上にはなわさんがいて、一列に並んだ整理券所持者が順番にそこ
に上がって握手をしていきました。そしていよいよ私の番です。目の前に角…でなくてはなわさんがいます。手を差し出すと、力強く
握ってくれました。おおっ、これが佐賀県民の手か!などとよくわからない感激をしながら「これからもがんばってください」と言う
と、少し佐賀なまりの入った「ありがとう」という言葉が返ってきました。本当にいい人です。握手の後にステージから降りる際に記
念品のステッカーを会場スタッフからもらいました。
 券を持った全員とはなわさんの握手が終わると、これで本当にイベントは終わりです。名残惜しいですが、はなわさんは精一杯のお
礼の言葉を会場に残して去っていきました。この後、彼は同じ渋谷の別会場でのイベントがあるそうです。そして私たち観客は、次の
ダンディ坂野イベントを見る人たちも含めて全員会場から出されました。

 一度会場を出たら水分補給をしてから再度戻りました。この間約10分。時間的にはイベント開始の20分前。なのにもう会場には
人がいっぱいでした。でも券なしの人も結構いたのでほっとしました(このイベントも先ほどと同じく観覧自体は無料)。というわけ
でさっきと同様に整理券を提示して前の方へ。今度は前から3列目でした。それにしても、普通のお客さんの他にカメラの多いこと。
ほとんどテレビカメラだよあれ。そしてやっぱりぞくぞくと整理券を持っている人が私の後ろに、持ってない人がさらにその後ろに入
りました。
 開始時刻のちょっと前になりました。前のイベントと同じ諸注意がスタッフから言い渡され、ついにイベントスタートです。最初に
出てきたのは漫才コンビの「三拍子」。彼らがこのイベントの司会です。そしてちょっとしたトークがありました。ここで「CD買っ
た人、どれくらいいますか?」という質問があったのですが、普通なら片手を挙げるところを、なぜかほとんどの人が両手を挙げ、し
かもその指先は例の形になっていました(笑)。さすがです。すでにもう会場はダンディ色に染まっています。そしてそして、いよい
よ彼の登場です。司会が引っ込み、「あの」音楽が流れました。そして、で、出た〜!真っ黄色のタキシードに、その中に着込んだキ
ラキラするベスト!まごうことなくダンディ坂野だぁ〜!!登場し、まずは一発目の「ゲッツ!」。続いて持ちネタの一つである「お
久しブリーフ」から土俵入りのコンボ。もうこれだけで会場のテンションが上がっています。その後、司会の二人が戻ってきて三人で
トークとなりました。はなわ氏と同じく、観客の多さにびびったとダンディさんは言いました。それから、この後に歌う歌を作詞した
「ゲッツケンイチ」とはダンディさん御本人であること、この歌は構想八年、制作一日でできたということ、それとフルコーラス歌っ
たことがあまりないので楽屋で必死に歌詞カードを見ていたという話や、カンペがないので心配という話、お客さんに歌詞カードを見
ながら聞かないようにという注意がされました(笑)。あと、曲の前奏の時点で床に置いておいたマイクを歌に入る所で拾う練習を、
この後におよんでしていました(再度笑)。
 というわけでこれからデビュー曲「OH!NICE GET’s」を歌います。先ほどの練習通りにマイクを床に置いてスタンバイ
するダンディさん。曲がかかりました。おお、さすがに軽やかなステップだ!前奏の後、歌い始めました。…結論から言います。数ヶ
所間違えました。と言うか忘れてました。でもそんなのは些細なことです。もうすっごい盛り上がりになりました。中でも、歌と同調
して振りをつけていた四人組のみなさん、あなたがたはものすごかったです。もちろん、彼ら以外も、私を含む全員が手拍子で盛り上
げました。
 歌終了。踊りまくり&歌いまくりのダンディさん、お疲れ様でした。そして、ダンディさんは一度楽屋へ。この後は報道陣によるイ
ンタビューで、もうすごい数の記者団がいました。五分ほどしてダンディさんが戻ってきたのですが、手に前のはなわイベント配られ
たうちわを持っていました(後日テレビで見たのですが、はなわさんがダンディさんのために、メッセージと共に置いていったそうで
す)。それで順番にインタビューが行われていったのですが、「ズームイン」や「スーパーモーニング」はともかく、「時事通信」な
んて堅そうな所まで来てるのこのイベント!?もはや時代の寵児ですね。ところで、インタビュー中に後ろのスクリーンに「佐賀県」
のプロモーション映像が流れてしまったのはなぜでしょう(汗)。インタビュー後はテレビ番組用のメッセージを撮ったり(噛んで数
回のリテイクがあったりした)、「観客に向かってゲッツ」&「観客と一緒にゲッツ」の画を撮ったりしました。
 インタビュー&撮影タイムが終わると、いよいよ握手[ゲッツ]&サイン会です。ステージ上にテーブルが用意され、そこに色紙が
置かれました。あれってもうサインが書かれてるヤツだよね?ここで書いてたんじゃ時間が足りないし。やはり列を作り、一人ずつダ
ンディさんと握手をした後にサインを手渡されるという形式でした。列に並んで前の方を見ていると、握手をしてサインを受け取った
人はみんなその後ダンディさんと二人で「ゲッツ!」をしています。まあ基本ですね。そしてついに私の番です。目の前の黄色いタキ
シードが本当にまぶし過ぎるほど、ダンディさんが近い距離にいます。差し出された手を握るとハリウッドを感じました。それは嘘で
すが、とにかく感激でした。その際に出てきた言葉は「これからもがんばってください」という月並みな言葉でしたが、ダンディさん
はあの笑顔で「がんばります。応援よろしくね」と言ってくれました。その後に直筆のサインを渡されましたが、私を一度それをテー
ブルに置き、両手をあの形にしました。それを見たダンディさんが「せーの」と言い、二人で一緒に「ゲッツ!」をしました。うおお
お、感動だああっ!その後置いたサインを手に取り、頭を下げた後にステージから下りました。もらったばかりのサインを見てニヤニ
ヤしながら。
 とうとう全員との握手が終わってしまいました。残念ですがもうイベント終了の時間です。この後はダンディさん、別の場所でまた
イベントだそうです。最後に彼が退場する時、「あれ」を見せてくれました。「ゲッツ&ターン&リバース」です。そして、「あの」
退場方法でステージから消えていきました。これでこのHMVダンディ坂野イベントは本当に終わってしまったのです。

 というわけで、前日に存在を知って急きょ参加することにしたこの日のイベントでしたが、ものすごーくいい体験でした。はなわさ
んもダンディさんもいい人でした。欲を言えばはなわさんのサインも欲しかったところですが、それ以外の記念品をもらったし、何よ
り心にこのイベントのことが残っています(これはダンディさんのもそうですが)。なお、ダンディさんのサインはもちろん自分の部
屋に飾ってあります。とにかくこれからのお二人のますますの活躍を祈りながら、レポートを終了します。


図書室へ