名古屋登山記

 2003年のゴールデンウィークに名古屋へ出かけた際のレポートです。
 まず5月2日の夕方から3日の朝まで徹夜仕事でした。9時ごろに帰宅して、とりあえず寝ました。
 目が覚めたら風呂に入ってから出かける準備をして、兄に駅まで車で送っていってもらいました。家を出たのが17時ごろ、東京に
ついたのが19時ごろでした。その後、東京在住の友人Nくんのアパートに電話をかけたらいたので、その晩そこに泊めてもらうこと
にしました(いなかったらどうするつもりだったんだよ自分)。
 20時ごろについたNくんのアパートではプレステ2版「怒首領蜂大往生」のDVDを見たり、「悪代官」というバカゲーを見せて
もらったり、バカゲー&クソゲー談義に花を咲かせた後、適当な時間で寝ました。

 翌朝、いよいよ名古屋へ行く当日です。9時少し前にNくんの家を出て東京駅に向かったのですが…あれ?こんなに時間かかったっ
け?これじゃ10時前に東京を出る新幹線に乗れない!?案の定、東京についたのは10時30分に出る新幹線にしか乗れない時間で
した。ここから今回同行する人たちとの待ち合わせ場所である名古屋までは2時間かかる。集合時間は12時。はい、この時点で遅刻
が確定!(汗)仕方がないので同行者に電話をかけて30分遅れる旨を連絡しました。その後はちゃんと新幹線に乗れて、車内では携
帯ゲームやってました(少しでも寝てればいいものを…)。
 12時30分、名古屋駅到着。改札を出たらすぐさま一緒に行く方たちと合流できました。今回の参加者は、私の他にはらぴどりさ
ん、HIGOさん、越後屋善兵衛さんの合計四人。すぐさまHIGOさんの車で移動することになりました。
 13時20分ごろ、愛知牧場につきました(HIGOさんはここの乗馬クラブの会員だそうです)。そして、おうまさん(この表記
方法、わかる人にはわかる)に触ってみたり、「ご自由にお持ちください」と書かれてあった刈られたばかりの羊の毛をゲットしてみ
たり、ウサギや山羊や牛や乗馬の練習風景を見てボーっとしてみたり、しぼりたての牛乳で作られたソフトクリームを買って食べてみ
たりしました。あーっ、いーやーさーれーたー。ところで越後屋さんがピンクのウサギのぬいぐるみを買って、そのあまりのかわいさ
にキャラット…もといクラっとした私も同じ物を買ってしまいました(爆)。

 そんなこんなで16時に牧場を出発して、45分ぐらいで今回のメインの目的地である喫茶「マウンテン」に到着しました。その量
の多さと変なメニューから全国的にも有名な通称「山」で登山(この店に来ることおよびこの店で注文した物を食べること)をするた
めに我々は名古屋に来たのです(と言ってもHIGOさんと越後屋さんは名古屋在住ですが)。
 店につくと駐車場はほぼ満杯でしたが空いている所があったので駐車。私たちの前に十人ぐらいの団体さんが待っていました。その
人たちが通された後少ししてからわたしたち四人も着席。17時5分ごろでした。なお、私たちの後ろにもどんどん待ち人が並んでい
ました。待ってる人がいなくなることはないというのは、さすが山です。
 さて、メニューをオーダーします。まず私とらぴどりさんは、この店の看板メニューの一つである「甘口いちごスパ」を注文しまし
た。らぴどりさんはその他に中和剤としてオレンジジュースを注文(「中和」の意味は後でわかります)。HIGOさんは「ミートス
ペシャル」、越後屋さんは「なすカレースパ」という「普通」の物を頼みました。それから、デザートとして四人で一つの「パインミ
ルクフラッペ」をオーダーしました。
 待っている間、この後に展開されるであろう地獄絵図を不安と期待を交えながら四人で話していたりしていましたが、それにしても
この店のテーブルは小さい。小さいもんだから、目の前にあったらぴどりさんの水にごく自然に手が伸びてしまいましたよ。それと、
時折他のお客さんたちのオーダーが聞こえてきたのですが、やはりと言うか何と言うか、「甘口抹茶小倉スパ」を頼む人は大変多い。
さすがはこのお店の知名度を全国レベルに押し上げた真の看板メニューです。隣のテーブルの人も食べていましたが、緑色の麺とその
量は見るだけでも圧倒されます。
 とか何とかやっているうちに、17時45分、ついにいちごスパが来ました。いやあ、本当に麺が赤い。あまりにも赤いので、食べ
る前に、「せっかくだから、俺はこの赤の麺を食べるぜ!」と、今回のメンツなら全員わかる小ネタを言ってしまいました。
 さて、このスパゲッティなのですが、「甘口」の名に恥じず本当に甘いです。ムチャクチャ甘いです。麺そのものの甘さに加えて、
トッピングされている生クリームも甘いです。そのクリームおよびトッピングのいちごとキウイと来たら、パスタの熱で温かくなって
るんです。さらにそれが熱で溶けます。そしてこれに限らずこの店のメニュー全部に言えることなんですが、量が多く麺が太い。量は
ともかく、食べているうちになんだか口の中にある感覚が「甘い」だけになってきました。さすがです。しかし私も「漢」の端くれ、
それをどうにか水およびトッピングの温フルーツでごまかしごまかし食べていきました。らぴどりさんもオレンジジュースや他の二人
の頼んだ「普通」のパスタを中和剤にして食べ進めていっています。
 甘さに耐えつつ、15分後。ついに麺を完食しました。残っていたフルーツおよび生クリームもたいらげ、大きな皿が空になりまし
た。なお、この店のメニューを完食することを専門用語で「登頂」と呼びます。しかも私は他の人の手を借りず自分一人だけでの「単
独登頂」に成功したのです。そしてその後、越後屋さんも登頂に成功しました。
 我々が山に登っている間に、パインミルクフラッペがテーブルに来ていました。これももちろん山盛りなんですが(ちなみにこの店
のかき氷は通称「雪山」または「冬山」と言われます)、地元民のHIGOさんと越後屋さんによれば、「以前より量が減ったんじゃ
ないか?」ということです。で、味の方ですが、パイナップル味のシロップとパイン果肉が普通においしかったです。
 ところでついにらぴどりさんが遭難してしまいました。「遭難」とはつまり登頂をあきらめることです。全体の85%のところであ
きらめたので、「8.5合目で遭難」でした。そしていわく、「甘い物は別腹って言うけど、その別腹の方が満腹になっている」との
ことです。確かに私も似たような状況になっていました。その後HIGOさんも登頂しました(いくらからぴどりさんに取られてまし
たが)。四人中三人が登頂できたわけです。
 いつの間にか雪山の標高が下がってきていました(私と越後屋さんがたくさん食べてたように思えます)。下の方まで来るともうパ
インのシロップの味がしないただの氷です。その中に埋め込まれたアイスクリームとパイン果肉が唯一の救い…というわけではなく、
「ただの氷」が普通にうまいんです。甘さで口の中が麻痺していたせいもあるでしょう。でも食べ終わるころにはかなりまともに戻っ
てきました。そして甘さが消えるころには、なんだか腹が完全な満腹でない自分に気づきました。「普通の店の普通のパスタならもう
一人分ぐらい食べられるんじゃないのか?」という気がするほどに(あくまで気がしただけ)。結局、尋常でないのは量でなく味だっ
たんですね。そうして四人がかりで雪山を制覇しました。
 それにしても、全国から怖い物見たさ&食べたさで来る人が多いだけあって、店内では写真を撮る人が多くいました。それを見たら
ぴどりさんが一言、「この店で使い捨てカメラ売ったら売れるよ」と言い、私たち三人はそれにうなずきました。
 18時30分ごろ、店を出るべく精算。この店のメニューは一番高い物でも800円です。それから私は記念品として、「甘口抹茶
小倉スパ携帯ストラップ」を1000円で購入。このメニューの生誕十周年を記念して作られた物だということですが、メインの飲食
物よりも高いというのは個人的に何か間違ってる気がしますがどう思いますか。

 その後店を出て、ここで越後屋さんは離脱。お疲れ様でした。さあ、メインイベントの登山を終え、ここからは言わばもうエピロー
グです。それから私たちはHIGOさんの車でカラオケ屋に行きました。例によってですが、私は特撮ソングを歌いまくりでした。そ
れと「疑問を投げかけるだけで回答を導き出さない歌」も歌いました。その後カラオケと同じビルの屋上にあるバッティングセンター
でちょっと打ってみました。
 カラオケを出た後また車を走らせてもらいました。駐車場が見つからずさまよい続けました。駐車場が見つかって車を降りた後も、
HIGOさんお勧めのインターネットカフェが見つからず三人で栄を徒歩で放浪しました。店が見つかったのは日が変わった4日の0
時20分ぐらいでした。
 店に入ったら私は速攻で寝ました。らぴどりさんとHIGOさんはオンラインのパソコンゲームをしていたようです(それやるため
にこの店選んだそうです)。私も起きたらちょっとゲームしました。
 インターネットカフェを出たのは朝9時でした。それから30分ぐらいで名古屋駅に到着。HIGOさんと別れて(私はその日やる
同人誌即売イベントに参加すると思われていたようですが)、らぴどりさんと駅構内の軽食喫茶で朝食を取った後、らぴどりさんと別
れました。その後9時50分発の新幹線に乗り11時45分に東京駅につきました。後はいつも東京のイベントに参加した時と同じよ
うなルートで家に帰り、帰ったら寝ました。起きたら17時を回っていましたとさ。

 というわけで、初登山は見事に成功したと言えましょう。もし次にまた行くことがあったら、今度は何を食べよう。少なくとも他の
店でも食べられるような物は選ばないのが、「漢」ってもんですよね。


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