影狩人・2

「ぐはあっ!」
 エンフィールドの裏通りとも言えるこの道に声が響く。数人の凶悪そうな男たちが、たった一人の黒い服の男に叩きのめされていた
のである。その黒い男であるが、拘束衣の様な服と一つ目を型どった眼帯が特徴的であった。
「て、てめえはいったい誰なんだ!?」
 倒された男の一人が聞くと、彼らを打ち倒した黒い男は口元に笑みを浮かべ、こう答えた。
「…影狩人だ。さあ、THE ENDだぜ」
 そう言うと、影狩人と名乗ったこの男は、一瞬で目の前にいる男たちに詰め寄り、気を失わせるためだけの攻撃を繰り出した。そし
て、十秒もすると男たちは全員気絶していた。
「よし、これで任務完了だな。…帰るか」
 そうつぶやくと、影狩人はいずこへかと消えた。

 一方、エンフィールドの表通りでは、一人の少女がとある人物を捜していた。彼女は何やらブツブツと文句を言っている。
「も〜、彰さん、どこ行っちゃったんだろう?そりゃあ、悪人が悪いことをしてたらやっつけるのが影狩人だけどさ、だからってボク
とのデートの最中にいなくなることはないじゃないか…」
 この少女はトリーシャ・フォスター。この街の自警団第一部隊長リカルドの一人娘である。そして、彼女の言った彰とは、先ほど現
れた影狩人の正体であるところの青年のことであった。
「まったく、ボクよりも悪人退治の方を優先しちゃうんだもんなあ、彰さん…。もー、影狩人なんて大きら…モゴモゴモゴ!?」
 いったい何が起きたのだろうか。急に、何者かがトリーシャの口を押さえたのだ。
(これってもしかして少女誘拐!?)
 心の中でそんなことをつぶやき、この拘束から逃れようとするとリーシャだったがその彼女の耳にこんな声が飛び込んできた。
「ちょ、ちょっと落ち着けよトリーシャ!俺だよ、彰だよ!」
 その言葉にトリーシャの動きが止まる。視線を後ろの方に動かすと、そこには彼女が捜していた彰がいた。トリーシャが落ち着いた
のを見ると、彰は彼女の口から手を離した。
「ぷはぁっ!ちょっと彰さん、何するんだよ!?」
 トリーシャは少し怒っているようだったが、それは彰も同じだった。
「何するんだじゃないよ!おまえが影狩人について大きな声でしゃべってるからだ!」
「あっ…」
「いいか、わからないようなら何回でも言ってやる。影狩人には闇の掟ってもんがつきまとってるんだ。影狩人の正体を知った人間は
殺すっていう闇の掟がな。おまえが俺の正体を知ってて生きていられるのは、本当に例外中の例外だってことを忘れるな」
「う、うん…。でもさ…」
「でも、何だ?」
「ボクが一人でいろいろ言ってたのは、彰さんがボクとのデートの途中でいなくなっちゃったからなんだからね。そこのところわかっ
てよね」
「あ、そうか、それが原因か…。悪い、そのことについては謝るよ」
 そう言って彰は頭を下げたのだが−。
「ダーメ、ちょっとやそっとじゃ許さないよ。だってボクのことを放っといたんだから」
「そんな…。じゃあ、どうすれば許してくれるんだ?」
「そうだなあ…。それじゃとりあえずさくら亭でご飯おごってよ、ね?」
「ああ、わかったわかった。それで許してくれるんだったらおごってやる」
「やったあ!それじゃ早く行こうよ!」
 こうして二人はエンフィールドで有名な宿屋兼大衆食堂のさくら亭へ向かうことになったのだが、その途中、彼らは一人の男とすれ
違った。そして、その瞬間−。
「!?」
 彰は奇妙な感じを覚えた、彼の様子にトリーシャが気づく。
「ねえ彰さん、どうしたの?」
「いや、さっきの男…何か変な気を感じたんだ…」
「変な気って…まさか悪人?」
「それがよくわからないんだ…。ちょっと後をつけてみる。トリーシャ、悪いけど先にさくら亭に…」
「嫌だよ!」
 トリーシャが大きな声を上げた。
「トリーシャ…?」
「ボク、さっきまでずっと彰さんのこと捜してたんだよ。それで、せっかく会えたと思ったらちょこっと話しただけでまたどこか行っ
ちゃうなんて…。もうやだよボク!!」
「そんなこと言ってもなあ、ひょっとしたら危険なことが起きるかもしれないんだぞ?」
「わかってる。わかってるけど…」
 ここでトリーシャの言葉は止まってしまった。その彼女の様子を見た彰はこんなことを言った。
「…わかった。そこまで言うならついてこい。俺ができる限り守ってやるから。ただし、俺でも守りきれなくなったら、その時はすぐ
に逃げろよ」
「うん、わかった。それじゃあさっきの人追いかけようよ。早くしないと見失っちゃうよ!」
 そして彰たちは先ほどの男の後をつけた。男はつけられていることに気づいていないようで、一人道を歩いていく。
「あれ?ねえ彰さん、この先って確か…」
「ああっ、行き止まりだ。追いつめたぞ!」
 そして男は行き止まりまで進んだ。だが次の瞬間、彼は彰たちの方を振り返った。
「!!」
「甘いぞおまえたち。この私がつけられていることに気づいていないとでも思ったのか?追いつめたつもりが、おまえたちは逆に追い
つめられていたのだよ」
 そう言う男の手に、何と黒い光が現れた。その光はどんどん強くなる。
「やばい!トリーシャ、逃げ…!!」
「遅い!!」
 彰たちが逃げる間もなく、男は自らの手に集まった黒い光を二人に向けて放った。
「ぐあああっ!?」
「きゃあああああ!」
 そして次の瞬間、その場から二人の姿が消えた。

 そこは黒い場所だった。それ以外は何もわからない。その黒い場所に彰たちはいた。
「う…う…ん…?」
 気を失っていた彰が目を覚ました。目を開いた彼のすぐ上にトリーシャの顔があった。彼女は彰のことを膝枕していたのだ。
「ト…トリーシャ…?」
「あっ、気がついた!よかった…」
 トリーシャはそう言ったが、彰は彼女に何も言わずに起き上がった。
「ここは…どこだ?」
 周囲を見回しながら彰が言うが、これにトリーシャが頬を膨らませる。
(なーにぃ、ボクに膝枕されてたのに何にも言ってくれないわけぇ!?)
 怒ったように心の中で言うトリーシャだったが、今はそんな状況でないことに彼女は気がついた。この黒い空間はいったい何なのだ
ろうか。
「えーっと、よく思い出してみるか。俺たち二人は、妙な気を出してる男を追った。それでそいつの放った光線を浴びて…」
「じゃあ、やっぱりあの人のせいなの?」
「そう考えるのが妥当だろうな。でも、そうするとあいつはいったい何が目的で…」
 ここで彰は言葉を止めた。彼は感じたのである。例の、あの奇妙な気を。
「…来る!」
「えっ?」
「ヤツが来る!どこだ!?」
 身構える彰。その彼の目の前に、あの男が現れた。
「!」
「そう躍起になるな。何もおまえを殺そうというのではないのだからな」
「何…?それじゃあ聞くけどよ、そもそもおまえは何者なんだ?ここはいったいどこなんだ?なぜ俺たちはここにいる!?」
「そうやつぎばやに聞かれても、私の口は一つしかないのだ。一度に答えられるわけがないだろう」
「じゃあ一つずつ彰さんの質問に答えてよ!」
 そうトリーシャが口を挟むと、男はじろりと彼女のことを見た。凍りつくようなその視線に、トリーシャは思わず身震いし、数歩後
ずさった。そんな彼女を見て、男はこんなことを言う。
「ふっ、娘よ、おまえはこれから自分がどうなるかわかっているのか?おまえは間もなくその人生を終えることになるのだぞ」
「んだと!?おまえ、殺しはしないって言ったじゃないか!!」
 怒ったように彰が言う。
「おまえは殺さない。だが、おまえの持つ『闇の力』のことを知っているその娘には、闇の掟に従って死んでもらわなければならぬ」
「闇の…掟だって!?」
 その言葉に彰はごくりとつばを飲み込んだ。
「そうか、あんたは『闇の力』の持ち主だったのか…」
「その通りだ。彰よ、なぜおまえは闇の掟を破った?闇の掟は絶対だということを知っているであろう?」
「ああ、知ってるさ。だけどなあ、俺にはトリーシャは殺せない。いや、例え他の誰が俺の正体を知っても、その人間を殺すことなん
て、俺にはできない!」
「そんなことを言うくらいならば、初めから闇の力など使わなければいいのだ。それなのにおまえは影狩人などと名乗り闇の力を使い
まくっている。これはいったいどういうことなのだ?」
「俺は悪人が許せないんだ。それだけだ!」
「そうか…。そのことについては別にいいのだ。闇の力を正義のために使おうが悪のために使おうが、それは持ち主の自由だからな。
だが、その結果正体がばれるということを考えていないのか?」
「ばれないようにうまくやってる。事実、ここにいるトリーシャ以外には俺の正体を知られていない…」
「その一人が問題なのだ。いつその娘の口から闇の力のことが世に知れるかわからない」
「確かにトリーシャはおしゃべりだけど、このことについては誰にもしゃべらないって約束してくれたんだ。そして実際に、誰にも話
していない!」
「これまでがそうだったからと言ってこれからもそうだという確証があるわけではない」
「けど…」
「もういい。本来ならばおまえに殺させようと思っていたのだが、どうもその気がないようだな」
「当たり前だ!!」
「ならばどけ。その娘は私が殺す」
 そう言うと男は彰を突き飛ばした。
「彰さん!」
 トリーシャが叫んだ。彼女は彰に駆け寄ろうとしたが、その眼前に男が立ちふさがった。そして男は鞘に収めていた刀を抜く。
「逃げろトリーシャ!」
 彰が言った。しかし−。
「ぬん!」
 男がそんな声を発すると、トリーシャの体が硬直してしまったのだ。
「えっ、嘘!?何これ!?」
「彰の正体を知ったおまえが悪いのだ」
 そう言って男が刀を振り下ろそうとする。だが、その時彼の背中に何かがヒットした。なかなかの衝撃である。
「!?」
 男が後ろを見ると、彰が男に手のひらを向けていた。何か魔法を放った後のようである。
「…今のはカーマイン・スプレッドか…。だが、私にそんな物は通用しない。私は『闇の力』でしかダメージを受けないのだ」
「ふーん、そいつはいいことを教えてもらったぜ。じゃあこれでどうだ?」
 そう言う彰の体から、黒い光が発せられた。
「うぉぉぉ…影転身!!」
 黒い光が最高まで強くなる。その光がおさまった時、彰は影狩人に変身していた。それを見た男が言う。
「…その姿になったということは、私と本気で戦うつもりだと解釈してもよいのだな?」
「ああ。俺はおまえを悪人だと判断した。だからぶっ倒す!」
「いいだろう。本来ならば闇の力を持つ者同士が戦うことに何の利益もないのだが…おまえがその気ならば、私はそれを打ち倒すのみ
だ!いやあああ!」
 そんなかけ声と共に、男は彰に向かってきた。その刀を彰はことごとくよける。だが彼は避けるのに精一杯で反撃に転じられない。
(くそっ、俺は素手だから、何とかしてあいつの懐に潜り込まないと何もできない…!)
 だが一向にそのチャンスは訪れない。次第に鈍くなる彰の動き。体力がなくなってきたのだ。そしてついに男の刀が彰を捕らえた。
「ぐああっ!」
「彰さん!」
 まだ動けないままのトリーシャが叫ぶ。
(ちっ、どうやっても致命傷にはならない傷だけど、これでまた動きが鈍くなっちまうな…。せめて…せめて武器があれば…)
 そう心の中でつぶやく彰だったが、その心にこんな声が響いた。
(ひひひ、苦戦してるじゃねえか彰)
(シャドウ!?)
 それは彰の中に封印されたもう一つの人格、シャドウであった。
(外が騒がしいと思ったら、まさか『闇の力』を持った人間を相手にしてるとはなあ。だけどおまえ、このままじゃいずれあいつに殺
されちまうぜ)
(ああ、そうだろうな)
(そうだろうなじゃねえ!おまえが死んだら俺だって存在が消滅しちまうんだ。それじゃ俺も困るんだよ!)
(そんなこと言われても、素手じゃあいつには勝てない…)
(武器がありゃあ勝てるってのか?)
(まあ、少なくとも今よりは戦況がよくなると思う…)
(そうか…。仕方ねえ、俺が武器を作ってやる)
(えっ?)
(両手を空に掲げな。そうすればおまえにぴったりの武器を出してやる。早くしろよ、ヤツが来るぞ)
(わ、わかった…)
 彰はシャドウの言葉を信じた。彼は立ち上がると、シャドウの言葉通り両手を空に向かって広げた。すると彰の手のひらから、何や
ら黒い煙のような物が出てきたのである。それを見た男がこんなことを言った。
「あれは…黒気か!?」
 その間にも煙は出る。心の中で彰はシャドウにたずねた。
(おいシャドウ、何なんだあの煙はよ!?)
(あれは黒気っていってな、おまえの…いや、俺たちの中にある『闇の力』が具現化した物だ)
 そしてその黒気は、何かの形になっていった。
(あれが…俺の武器なのか!?)
 一つの物体になった煙が彰の手の中に落ちてきた。それは長さは2メートルほど、太さは5センチほどの一本の棒であった。彰の心
の中のシャドウが言った。
(よーし完成だ。そいつがおまえの武器、影撃棍だ!)
「影撃棍…!!」
 武器の名をつぶやくと、彰はその棒を振り回してみた。回転させてみた。虚空を突いてみた。空気を切り裂く音がする。そしてそれ
は空気だけでなく男の頬をも斬った。
「まさか…あの棒の風圧で…?」
 男が血を拭いながらつぶやく。
「へへっ、行けるぜこれは…」
 一度棒を振り回しただけで彰はこの武器の威力を知り、使い方をマスターしてしまったようである。
「よーし、反撃開始!!」
 今度は彰が男に向かっていった。影撃棍を持った彰は強く、完全に先ほどとは攻守が逆転していた。
(くっ、たった一本の棒で、ここまで強くなるのか!?)
 男が焦る。だがこの男もやられっぱなしではない。彰の隙を見て、彼に斬りかかった。しかし−。
「くっ!」
 彰は影撃棍で剣を受け止めた。その手がしびれるが、彼はそのまま刀を棒ではじき飛ばした。
「なっ…!」
「もらったあ!黒魔三穴陣!!」
 彰は一瞬で男の両肩とへその辺りを棒で突いた。
「どぼっ…!!」
 男が倒れた。そしてその目の前に、彰が影撃棍を突き出す。
「さーて、今のはツボをついて体の自由を封じる技だ。おまえはしばらく動けない。ここで俺がこの棒でおまえのどたまをかち割れば
それで終わりだ。けどよ…」
 彰は棒を引っ込めた。
「俺はもともと人殺しができないタチだし、ここでおまえを殺しちまって永久にこの空間から出られないってことになったら悲惨だか
ら殺さないよ。さあ、俺たちを元の場所に戻しな」
 彰がこう言うと、男はこう言い返してきた。
「ふん…。わかった、おまえたちは二人とも殺しはしないし、そろって元の世界に返してやる。だが、『闇の掟』に従いおまえたちを
殺しに来るヤツがこれからも現れるかもしれんぞ」
「その時はその時だ。とにかく今はおまえが俺たちを何とかしろ。あと、トリーシャの体を自由にしろよな」
「ボクはもう平気だよ」
「えっ?」
 彰が声のした方を見ると、そこにはトリーシャがいた。
「トリーシャ、大丈夫なのか、おまえ?」
「何か、時間がたったら元に戻ったの。それより彰さん、さっきの戦い、すっごくカッコよかったよ!!」
「えっ、そ、そうか?」
(何照れてんだ。俺が出てこなきゃおまえはこいつに殺されてたんだぜ。少しは感謝しやがれ)
(余計な茶々入れるなシャドウ!)
(ふん…。まあいい、俺はもう寝る。じゃあな)
 その言葉を最後に彰の中のシャドウの声は消えた。そしてそれと同時に影撃棍は煙のように消え、影狩人のコスチュームも元の彰の
服装に戻った。彰はそれまで棒を持っていた自分の手をじっと見つめ、トリーシャはその彰を見ていた。そして、その二人に男が話し
かける。
「おまえたち、約束だから元の世界に戻してやるが…さっきも言ったようにこれからもおまえたちを殺そうとする、『闇の力』を持っ
た人間が来るかもしれない。注意することだな」
「ああ。それにしても、さっきまで俺たちを殺そうとしてたおまえがどうしてそんな忠告をしてくれるんだ?」
「今の戦いの中に、『闇の力』を持つ者の可能性が見えたからだ」
「へっ…?」
「意味がよくわからないなあ…」
「ともかく、二人とも目をつぶれ。次に目を開いた時、おまえたちは元いた場所に戻っているはずだ。その時はすでに私の姿はないだ
ろうがな」
「あ、ああ…」
 そして彰とトリーシャは目をつぶった。二人は何か奇妙な感じを覚え、次の瞬間体中で光を感じた。目を開くとそこは男に黒い光を
くらったあの行き止まり。それまで長い間黒い世界にいたので、しばらく二人ともここの明るさに耐えられなかった。
「終わった…のかな?」
 ようやく明るさに慣れたころ、彰がつぶやくように言った。
「うん、終わったんだよ。それにしても…」
 トリーシャが彰の顔を見つめてこんなことを言う。
「ごめんね彰さん、元はと言えば、ボクが彰さんの正体知ってるからなんだよね…」
「言うなトリーシャ。それ以前におまえに正体を知られた俺が悪いんだ」
「でも…」
「ゴチャゴチャ言うな。そんなこと言ってると嫌いになるぞ」
「えっ!?そんな、彰さんに嫌われるなんて、ボクやだよ!」
「だったらこのことについてはもう何も言うな。それよりも、たしかさくら亭に行くところだったよな、俺たち?行こうぜ。一暴れし
たから腹減っちまった」
「う、うん…」
 こうしてさくら亭に向かう二人だったが、その途中でトリーシャが彰に話しかけた。
「ねえ彰さん…あの男の人、これからもボクたちを狙うヤツらが来るかもって言ってたよね?」
「ああ。でも心配するな。おまえは俺が守るから」
「…ありがとう」
 そう言いながらトリーシャは彰に体をすり寄せた。拒む理由もないと思った彰は、彼女をそのままにしておいた。そのままにしてお
くことが、トリーシャを怖い目にあわせた自分にできる償いだと彰は思っていた。そして彼は心の中でこうつぶやく。
(次に刺客が襲ってきた時が、こいつやこの街にお別れを言う時なのかもしれないな…)
 果たして、彼のつぶやきの真意は−。

<了>

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