top はじめまして タイプアート ギャラリー アクセス 作品 ご芳名簿 お便り



このサイトの作品の無断転載を禁じます。

 タイプアートというのは、タイプライターで描いた絵のことをいっています。
 私のタイプライターの中に「◎」があり、それだけ使って描けばきれいな絵になるだろうと考えたのは私の発見ですが、「◎」を何度重ねても「◎」の中は埋める事ができず、濃くなりません。

 私の使っているのは平仮名のタイプライターなので、「の」を重ねると、きっときれいで濃い色が出せると思い、試してみると思い通りの効果が現れました。この他にも曲線は半コマ進め打ちをするなどいろんなテクニックを発見しながら描いています。

 タイプライターの色を出すのはインクリボンで、赤、黒、青、緑、黄色、茶色、オレンジ、紺の8色で、使っていると薄くなるのでバックにしたり、赤はピンクとして使ったり、金色などインクリボンのない色は何色かを重ね打ちして出しています。

 絵に濃淡をつけるためには何度も同じ箇所に重ねて打ちますが、最高20回ぐらい重ねた事もあります。下に拡大図を載せました。「◎」と「の」がおわかりいただけるでしょうか。遠くから見ると右の絵のようになります。

↑ロンドンからの便り

 タイプライターに入る紙の大きさは30センチ前後ですが、実際に打てる幅は28センチ前後しかありません。ですから大きな絵を描こうとすると、紙をつながなくてはなりません。

 紙をつなぐ仕事はいつも一緒にいる姉の仕事ですが、一段一個でも間違えればつなぐ事ができないため、数えながら描くのですが、それがまたたいへんなのです。

 「◎」の大きさは3ミリと決まっていますから、細かいところを微妙に書き込もうとするとするほど大きくなってしまいます。

 長崎の「パレスハウステンポス」はハウステンボスで一番大きな建物ですが、これを描いた時は、横幅225センチで18枚の紙をつなぐことになり、自分でも驚いた大作になりました。


 ↑パレスハウステンボス

 花を描く時は柔らかさを出すのに苦心しますが、建物の場合その大変さは無く、思ったように描けるため大好きです。作品のコーナーでご覧下さい。


 ↑1作目のチューリップ   ↑48作目のチューリップ


 私のモットーは、描き始めたら途中でやめない事で、やめたら「女がすたる」と思い頑張ってしまいます。以前1日に18時間描いたことがあります。

 朝の7時に起きて描きはじめ、夜中と言うより明け方の4時半まで描き続けたのです。いつも姉が時間を記録していてくれるのですが、ご飯の時間と午後のおやつの時間は記録しておき、終わってから正味の時間を計算しています。

 一番困るのは機械の故障です。タイプライターのメーカーのオリベッティの小池恒雄さんは今は、退職されましたが、電話をするとすぐ来て下さり必ず直してくれます。小池さんは私の大切な人の一人です。