これは本当に難しいご質問です。
まず、美味しいor美味しくないというのは人それぞれの感覚に左右されがちです。同じ物を食べても人によって受け取り方は様々でその全てが否定できない正しい答えです。
例えばチェーン店のお寿司屋さんに同じお米を配達しても店長さんによって評価が全く違うことがよくあります。A店長さんはツヤ・粘りがあって最高のお米だって言ってくれましてもB店長さんは粘りすぎて固いからもっと柔らかいお米がいいって言われたりします。
「コシヒカリ」という品種は我々日本人の最も好むお米であるとして長年作付け面積・取引価格においても頂点に君臨しております。多少の個人差はありますが一番美味しいといっても差し支えないのではないでしょうか・・・
そこで「あきたこまち」も美味しいよ!「ひとめぼれ」だって美味しいよ!「ミルキークイーン」が一番だよ!という方がいらっしゃると思います。例えば「あきたこまち」も「ひとめぼれ」もコシヒカリを親として品種改良されて生み出された品種であるという点で別の違った品種というよりは同じ仲間だと受け止めていただければと思っております。
お米の食味はたんぱく質とアミロースの成分含有率によって左右され、数値が小さいほど美味しいお米だとされております。低アミロース米の「ミルキークイーン」は「コシヒカリ」を凌ぐお米として高い人気があります。絶対「ミルキークイーン」が一番だという人の気持ちも理解できます。
また、お米の味を決める最大の要素は品種ですがそのほかの要因に左右される部分も大きいのです。いつもこの話になってしまいますが、お米は農作物ですので大量生産の工業製品のように同じ品質のものを作ることはできないのです。その土地の土壌や水の違い、その年の気候、そして生産者の育て方で全く食味が変わってくるのです。
皆様方がスーパー等でお米をお買い上げになるときは「品種・産地」ごとにお値段が決められているので当然そういった錯覚に陥ってしまうかもしれませんが、お米という食べ物は個体差・バラツキのあるあいまいな食べ物であると受け止めていただければと思います。
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