これも本当に難しいご質問ですね。
確かに理論上はそうなるはずなのです。ただし、我々一般人がご飯を食べた時に精米機の違いを判別できるかどうかといったら全く疑問です。
精米機の性能はお米の美味しさを決める要素のホンの一部にしか過ぎないと考えていただければと思います。よくお客様から「スーパーのお米は不味い」と言う話を聞かされますが、スーパーに納めている大規模な業者の精米機の性能は我々一般の米屋よりもはるかに素晴らしい機械を使っているはずなのです。
精米機の性能によってお米がビックリするほど美味しくなるならこんなに有難いことはありません。皆様の中にも家庭用の精米機でその都度精米してご飯を炊いている方がいらっしゃると思います。「そんなことをしていたらせっかくのお米が不味くなってしまいますよ!」なんてことは一切申しません。どうぞ自信を持ってお続け下さい。
精米機メーカーは高い製品を売り込むわけですからもちろんメリットをアピールしますし、正確な情報だと思います。当店でも随分と高いお金をかけておりますが、ここで注意していただきたいのは、お米はそのままは食べずに炊飯して食べるという点なのです。
白米の表面を拡大して見れば精米機の違いは顕著に現れるかもしれませんが、お米を研いで水に浸して時間をおいて炊飯する・・・そして蒸らす・・・ご飯を炊くときにきっちり仕事をする
or しないかのほうがはるかにお米の味を左右します。
例えば実際、お客様からクレームをいただきます。回転寿司の店長さんから「今すぐ米を見に来い!ナンダこの米は!」なんてこともありますが、「水加減が足りなかったのでは?」と言って良いものかと考えているとその横で板前さんが「ゴメン!俺が悪いんだ・・・店長には適当に謝っておいてくれ」なんてこともよくあります。
私自身の話になりますが、生産者の方から試食用サンプルとして白米をいただいて食べることがあります。普通の農家の精米機ですから5万円ほどの製品でコイン精米機と比べてもはるかに安物です。糠切れも悪く白度も低いその白米を食べてみて思います。「美味しいお米はどんな精米機で搗いても本当に美味しい」そう思います。
きっと皆様にも同じような記憶があると思います。
私は41歳ですが子供の頃に食べた美味しいお米の味は今でもよく覚えています。昭和30年代・40年代の精米機の性能は今よりはるかに低かったはずです。
きっと皆さんにも同じような経験があると思います。どこかの旅先で入ったお店や旅館でビックリするほど美味しいご飯に出会って、お店の人にいろいろ聞いてみたら自家製のお米であったり近所の農家に譲ってもらっているお米で、もちろん精米機もその農家の庭先にある普通のものだった。いままで高いお金を出して買っていたお米よりもはるかに美味しかった。
コイン精米機を利用されている方も沢山いらっしゃると思います。精米機の原理・構造はメーカーごとにそれぞれ特徴があるものの、機械の大小によってお米の美味しさに差が出ることはまずないと考えてください。個々の機械により白度設定がアバウトな点に注意していただきたいのと、むしろお米を炊くときにその炊き方によって差が出るものです。
無洗米についても同じことがいえると思います。理論上は間違いなく誰でも簡単に美味しいご飯が炊けるはずなのです。但し、無洗米の場合は使っているお米の品質によってご飯の味は左右されるのです。
ここで業界裏話になりますが、「無洗米を買う人はお米にこだわらない・味がよく分からない・そういう人が多い」というようなマーケティングが完成されております。必然的に使う原料に反映されます。
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