おこめ Q&A
Q. 4
 未検査米とはどんなお米ですか?

検査1等米と比べて優劣はあるのですか?また、1等と2等ではどのくらい味に差があるのですか?
A. 4

 愛知県○○様、東京都◇◇様、ご質問有り難うございます。このご質問には簡単明瞭にお答えできます。

未検査米とは文字通り検査を受けてないお米のことです。農家の人がお米を作ってそのお米を売るわけですが、農協あるいは集荷業者を窓口として農水省の検査を受けて売る場合と一般消費者や我々業者に直接売る場合があります。どこにどれだけ売ろうが生産者の任意となっております。

検査についてご説明します。正式には農産物検査と言いまして、昔は国(食料事務所)が行っておりましたが平成13年度より民間機関(農協・財団法人日本穀物検定協会・その他民間の業者)にも資格が与えられ今では90%以上を民間が占めております。

お米の検査とは一体どういうことをするのかと言いますと、
まず種類の判別・・・つまり「籾・玄米・うるち・モチ・水稲等」の種類を区別します。(これは簡単ですね、見れば一発で分かりますから)

そして銘柄の判別・・・「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」等玄米の粒を見て判断します。(たまに違う品種をコシヒカリだと言い張る人がいてトラブルになったりします。DNA鑑定の出番です。)

量目・・・分量のことつまり重さがちゃんとあるかどうかを調べます。(これもトラブルが多いのです。検査に持ち込まれる袋全部を量りに乗せて量るのは不可能なので無作為に選んで量るわけですが全部が全部きっとり同じ重さになっているとは限りません。

ですから量目不足で返品交換は日常茶飯事です。ご参考までに申し上げますがお米の袋には皆掛け重量30,5キログラムというように表示がありますが袋の重さを含めて30,5キログラムと言う意味です。県によって異なります、栃木県は30,6キロです。)

品位・・・「等級」を決める検査です。検査官の肉眼による鑑定になります。これが一番のポイントです。
例えば一等米は「整粒70%以上・被害粒15%以下」「着色粒0,14%以下」と定められております。「粒ぞろい」と言われる所以になっております。

この他お米の充実度を肉眼で判定します。充実度とは一体どういうことかといいますと「ふっくら感・色艶・光沢」など非常に主観的な内容を判断します。「ツヤツヤピカピカの1等米です」とよく言われますね。

ここで皆様にぜひご理解いただきたいことがあります。
農水省の正式な見解でもありますが一般には全く知られていません。「お米の等級とお米の味は関係ない」ということです。

つまりお米を見た目だけで等級を判断してお米の味まで分かるはずがないということです。

一等だからと言って必ず美味しいとは限らないし二等だからといって必ず一等より不味いとは限りません。専門的な話になりますが水田のお米より陸田(田んぼに適さない土地)のお米のほうが見た目ははるかに素晴らしく見えるのです。「ツヤツヤピカピカ」だからといって全部が全部美味しいお米ではありません。

さて検査の目的は一体何でしょうか?
精米の表示は消費者がお米を購入する時の判断材料としての情報(産地・品種・産年)を提供するものです。その精米の表示の基礎として全国で規格を統一して検査が行われております。
何度も申し上げますが検査とお米の美味しさは一切関係ありません。

消費者の皆様が美味しいお米を選ぶ目的のために検査があるのですが残念ながら美味しさに関しての保障は一切ありません。農水省はあくまで産地・品種・産年の情報を提供しているだけなのです。

つまり結論は未検査米と検査米にお米の優劣はありません。
未検査米の場合、JAS法により(産地・品種・産年)の表示が認められません。どういうことかといいますと、あくまで自称「16年産茨城コシヒカリ」というようになってしまい、検査による裏付けのないお米の販売は認められないとのことです。

未検査米を販売する場合は「産地不明・複数原料・産年不明」が正しい表示になります。そのお米がどんな米なのか誰も想像できないでしょう。

たとえJAS法の処罰の対象となっても私は客観的な事実を消費者にお知らせすることは消費者の利益であると考えております。

何故このようなJAS法が施行されたかといえば、我々米屋という業界が産地偽装・偽品種等インチキばかりやっていたからです。もちろん自らも含めて深く反省し、より社会に貢献できる仕事をすべきだと思います。

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