弦エニシ&me   その6

私の実家というか、私は、御婿さん取りなので、そのまま、普通に、自分の両親と、暮らし、
両親が受け継いだ家業を、継いでいます。実家は、鮪をはじめ鮮魚の仲卸問屋です。私で、6代目です。
ただ、私は、この占いの世界に、目覚めてしまったので、半々で、仕事を、今、現在は、している感じです。
本業は、占いの方と、自分では、思っています。
でも、地元では、そこそこ、有名な、魚屋の、娘なので、何とも、自分の事は、言えませんね・・・

鮪の、一番、美味しい所は、頭から、取れる「大トロ」です。これは、なかなか、手に入りません。
手に入っても、処理の方法が、難しいのです。
それを、弦先生に、食べてもらいたいなーって、いつも、その美味しいトロを、食べながら、
時々、思っていました。
それが、ある日の土曜日、ちょっと、多めに、手に入ったのです。
朝、スター出勤への、出発の、2時間前に、起き、一生懸命、その「大トロ」を、さばきました。
さすが、魚屋の娘、やる時は、やるわよ。
保冷剤を、入れて、完了。一人一人に、小分けに、盛りました。

スターでは、お昼の時間が、ありました。
受付のSちゃんが、白米を、買って来てくれて、いざ、私が持参した「大トロ」で、お昼ご飯、スタート。
弦先生も、待合室の、ベンチに座り、「いただきまーす」を、してました。

2分位、経過しましたか?

「ねぇ、ミミちゃん、毎日、こんなに、美味しい物、食べてるの?」
えー、まー・・・

「いいなー、ミミちゃん、この鮪、本当に、美味しい、一杯、食べちゃう!」って、笑い顔で、おっしゃってました。
そんなに、喜んでいるわ・・・

でも、その後、弦先生が、こんなに、喜んで、ほうばって食べている時、ある事に、気づきました。

気付いたら、私は、涙が、止まらず、バックヤードに、駆け込みました。
毎日、外食なんだよね・・・美味しくて、最高の味を、毎日、楽しんで、いらした方ですよ。
好きな物、毎晩、注文して。
しかし、家庭の味、知らないんだよね・・・
私は、オイオイ、泣きました、昼休みに。

朝、早く起きて、弦先生と、その日の出勤のスタッフ達の分を、大きなタッパーに入れて、
原宿には、似使わしくないバッグで、それを、持っていった思い出が、あります。
懐かしいな。


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