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  女の過去は墓場まで

「女の過去は墓場まで、持っていきなさい。」って、告げられた事があります。 
何でも、愛する人に話せばいいってものでは、ないのですよ、話して、辛くなる事も、有るのよって。

それは、私が、20代後半に、師匠に、言われた「言葉」でした。
今も、その時の情景を、思い出します。  その時は、ケラケラと、笑い顔で、おっしゃっていましたが。

女って、賢く生きなくちゃね。過去を、言われて、良い思いをする人は、いないでしょ。
言った本人は、誰かに言ってスッキリするかもしれないけど、言われた人は、考えちゃうわよね。
それが、彼氏だったり、御主人だったりしたら、大変ですよ。
彼氏や、御主人の事が、好きで、あれば、言わないのが、愛だと思います。
全て知ってもらいたくて、それで、認めてもらいたくて、自分の言いたくない過去を話すなんて、もっての他です。 
 ダメダメ・・・

師匠に、その言葉を言われた時、別に、私に、その当時、異性関係や、家庭問題など、何にもなかった時でした。
その時、ポッと、告げられたので、「はーっ?」っと、時間が、止まってしまった感じでした。
でもね、私も、「女」ですから、過去は、その当時も、一杯ありました。
今現在も、「あの時、なんで、あんな事しちゃったんだろー?」って、振り返る事が有ります。
消したいです。消したい過去って、有りますよね。 無い方に会いたいです。
だから、今、告げられて、数年経ってからもですが、「なるほど、なるほど・・・」っと、その言葉の意味を、察する事が有りました。

2011年8月12日  桐ケ谷斎場で、 弦エニシが焼かれる火葬場で、私は、その言葉を、何故か思い出していた。
「先生、それ、守ったのですか?」  ご自分で、生前おっしゃっていたじゃないですか?
「弦エニシの過去は墓場まで」・・・ ・・・・  持って行けそうですね。
私は、とにかく、彼女の御遺体にポールスミスのROSEという、香水をかけまくった。
最初は、ストレートに、御遺体の前髪にキスをした。    そして、頬を、眺めた。氷・・・冷た過ぎた・・・冷たいな。
なので、もう一度、黒の前髪に、この世で最後のキスをした。   前髪は、普通の温度だった。 キスをするには最適の温度だった。

そして、扉が閉じて、御遺体が焼かれることになった。 これで、「過去も、全て、燃やされるのね。」 キスの感覚が、残る唇で、そっと言ってしまった。
私には、生涯「師匠」というのは、弦エニシしか、いないです。これから、どういう、生き方が、私にあるのか、分かりません。  
時々、一場面で、「先生だったら、どう思いますか?」って、いつも、質問しています。
こんな時、先生だったら、どうするのかな? どう、思うのかな?
私は、常に、師匠の洋服や、物を、着ていたり、持っていたりしていますから、師匠を、瞬時たりとも忘れた事がありません。
いつも、思い出しています。 一緒に、行動している感覚です。

仕事上で、過去に、苦しむ方の相談を、受けたので、こんなことを、思い出しました。

誰でも、あると思いますよ。「過去の苦悩」「過去のとらわれ」「過去の嫌み」などね。

でも、女である私達は、今現在は、スッキリと、生きましょう。生きられるなら・・・
過去なんて語っても、損ですよ。  参考になる話は、別ですけどね。

私は、師匠の事は、まだ知らない、もっと知りたい、でも知ってもしかたない・・・  そんな、ルールが、今、あっても、かわいいでしょう。
そのくらい、師匠の事は、好きなのかも。

だから、師匠の過去は、墓場まで、持っていくわね。


女の過去は墓場まて゜

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