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  最期の「詞」


Shadow  of  your Smile 

Left alone
lala
One


これは、最期の病室にあった、黒の表紙の普通のノートの、何故か最後のページに、綴られていた 「詞」です。
他には、何にも書いていないノートに、これだけ書かれていました。
細いボールペンで、書かれていました。


 笑顔の影   あなたの・・・

 一人、残され
 ララ
 一人ぽっち

直訳するとこんな感じです。  寂しい・・・私は、そういう風に感じたのです。 一人・個室の病室で書いたのだと思います。
lalaというのが哀しいです。 この詞には、もちろん、続きがあったと思います。
師匠は、いつも、一人だったのだと思います。 生みの親と早い時期に離れ、育ての親に愛され、生涯独身で、彼氏に大切にされ、でも、一人でした。
そんな思いが、最期の時を、感じた病室で、記してみたのでしょうか???
私は、悔やんでいます。本当に、悔やんでいます。その、病室に、一回も、御見舞に行かなかった事を・・・ 入院している事さえ、知らなかったのです。
今現在、師匠の、御客様を、引き継ぐ機会が、あります。その際、最期の頃に、鑑定して戴いた御客様から、その当時の様子を、伺う事が、あります。
  
 そんなに、痩せてしまったのか・・・ 息がキツカッタのか・・・ 一歩歩くのが、辛かったのか・・・ 点滴をはずして・・・
私は、泣いてしまいました。その、最期の時の事実を知っている方から聞いて、私は、泣いてしまいました。
でも、私は、知らなかった。入院するまで、師匠が、体調を悪くしていたなんて。  知らなくてよかったんだろうか・・・ 
入院中、面会を拒否していたのは、後で聞いた話。 私なんて、もちろん 「来ないで。」って、真っ先に言われただろうな。
本当に、私には、いいとこしか見せてくれない師匠でした。
でも、この「詞」を残してくれて、有難うこざいます。
最期の心情ですよね。
師匠、一人ぽっちじゃ、ないですよ。
私は、師匠のタロットカードの読み方や、暦の解読、笑い方など、ほぼ100%習得したつもりでおりますから・・・
師匠は、育ててくれましたよ。
弦エニシという師匠は、私の心の中に何時もいらっしゃって、バリバリ鑑定していた御姿を思い出したり、
昼寝をしているお顔だったり、
原宿スターを帰る時の瞬間の秒であったり、そして、高校生の時の私と師匠との出会いの時間を思い出します。
27年間というのは大きいですね。

私は、最近、偉そうな態度をしている自分に、腹が立ちます。 自分のキャリアが・・・ こういう方に、ついていたんだから・・・
東京・原宿で・・・  って、言っている自分が、います。 言っている時は、ふむふむって、思って言っているのだけど、
冷静に考え直したら師匠に大変失礼な事を言っていました。本当に、申し訳ありません。 ごめんなさい。
御縁のゆえの事ですものね。  全て、縁 です。 縁・・・エニシ

この、最期の「詞」が書いてあるノートは、私の鑑定室・仕事場のテーブルにあります。
私の仕事場には、弦エニシ師匠が、いつでも、活動・鑑定出来るように、セットアップしてあります。 カード、衣装、照明、鏡、香水。
いつでも、お越し下さいね。  私は、師匠の鑑定風景が、もう一回、観てみたいです。  もう一回・・・ もう一回・・・
でも、観る事が、出来ないのが、現実です。 でも、セットアップしていますよ。

この「詞」の続きは、どうするのか、弦エニシ師匠に、聞いてみます。書くのか、この余韻に流すのか・・・


      もう、一人じゃ、ないですよ。
  
      そうかなー・・・何かそんな感じがするかも。  とにかく、任せるわ。



 

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