弦エニシ&me   その10 その11へ

2011年8月12日 金曜日  午後 山手線 五反田駅
最後、火葬場で、拝見した、御棺の中の、弦エニシは、自毛で、黒髪でした。
何だか、ホッとした。前髪が、ちょこっと、カールしていました。私は、その、前髪に、最後のキスをした。
本当は、頬に、したかったけど、出来なかった。あまりにも、冷た過ぎた御遺体だったから。

生きていらっしゃる頃は、赤だの、緑だの、とにかく、髪を、染める事を、楽しんでいました。
イメチェンが、好きだったのかしら?パーマを、大胆に、かけたりね。でも、いつも、ロングの長さでしたね。
髪の毛、ふさふさ、色、鮮やかが、自慢の、弦先生でした。

時々、ウィッグも、付けていましたよ。
私の、結婚式に、参列して頂いた時は、ショートの金髪頭で、いらっしゃいました。
ド派手な、スパンコールの、上着を、着ていらっしゃいましたねー。牡丹柄?

この写真、よーく、見てみて。弦先生の、ほほ笑むお姿と、この、帽子、同じ物です。
私、この写真の、弦先生、かわいいなーって、仕事場に飾っていました。

そして、去年の、2月に、又、都内の、某部屋に、弦先生の、荷物が、あるというので、
整理に、来て下さいっと、連絡が、あったので、その部屋に、出向きました。

事前に鍵を、開けておいてもらいました。
「ごめんくださーい。」、私と、私の生徒さん達の、三人で、入室しました。
すると、いきなり、私の、頭上に、ばさっと、何か、落ちてきました。
えええー、豹柄の帽子でした。どこから、落ちて来たのか、分かりません。
すっぽり、私の、頭に、かぶさって来た感じでした。

まあ、そんな事は、さておき、荷物の整理に、取りかかりました。
このお部屋には、弦先生の、主に、衣類が、有りました。たくさんの、BOXに入っていました。
女性の、私達は、慎重に、整理しましたよ。
そして、車一杯に、弦先生の、荷物を、積み、自宅に、帰りました。

やっと、深夜、落ち着いて、ばさっと、落ちてきた物を見ると、「帽子」でした。

それは、あの写真の時、かぶっていた「豹柄の帽子」でした。

弦先生、待っていて下さったのですね。整理しますよ。
私で、良ければ・・・いくらでも、遺品を・・・

ミミ月丘
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