その５1　　　　　　最終回　　番外編


弦エニシ・・・天界　(　宇宙　)　に　昇る　
　　
　2014年6月13日　23時40分。　
先生が着ていらした夜着をまとい、鬼怒川の流れが絶景で観れるベランダに、腰を下ろす。

「ミミちゃん、有難う。いっぱい、書いてくれたわね。」　弦先生の声が、川の波間から聞こえた。
川の水面が、月の光を吸い込み、キラキラと光り、また、光り、とても幻想的な景色だ。時空を忘れる・・・
そして、川沿いの土手から吹く、心地良い風が、私の髪をなでる。　

もうすぐ、先生がいらっしゃった空間のドアを閉めます。先生、もう、自分が御亡くなりになった事をやっと、自覚できましたか?
「やっとね。」自ら、言いだせずにいた、弦エニシの言葉があった。
またたく星が、あったら、その後、告げよう。　直ぐに、私の心のうちを、打ち明けよう。

川の波のいぶきよりも、途切れない思い・・・　　ずっと先生には、私の側にいて欲しい。
そして、私は、先生に、永遠の「タロットカードの調べ」を奏でます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　先生を追う事に、いつも私は必死でした。そんな時に、いつも、「ミミちゃん、紅茶を飲みましょう。」っと、
　　　　　　　　　　 余裕を見せて下さいました。その時の会話と紅茶に、私は、何度となく助けられました。

　　　　　　　　　　　夏の暑い夜の月の光さえ色あせるほど、私の弦先生に対する思いは、輝いています。
　　　　　　　　　　　私は、永遠の「タロットカードの調べ」を、奏でます。弦先生だけに・・・


　2014年6月13日　　18時30分　　渋谷　トリン
　この日、約20年ぶりに、「元　原宿スター」で、同僚だった、健治君と、再会した。
前にも、書いたが、彼は、今現在、僧侶・霊能者として、新潟と東京を、行ったりきたり、全国を行脚している。
私は、ちょっと、早くトリンに着いてしまった。有難くも、ジャスミン茶を、頂いたり、友達の占い師さん達と、お喋りをしていた。
約束時間を、20分過ぎた時、健治が、現われた。
全然、変わっていない風貌に、私は、感激しました。彼は、ロシア人の血が入っているクオーターです。
トリンで、再会するなり、「ミミちゃん、もう、ここに来る前に、弦先生、昇ったよ。天に・・・」　　その一言は、衝撃的だった。

浮遊して、迷っていたからこそ、「昇る」のが、一瞬だったそうです。　　浮遊霊というのは、一番、疲れる存在との事です。

トリンを後に、私達は、２人で、渋谷センター街の、喫茶店の奥に席を取り、「お別れ会」を開いた。
マジに、アルコールも飲まず、ひっそりと、しかし、楽しい会話が、飛びかったお別れ会だった。
健治は、マンゴースムージー、私は、アイスティー&ミントを、飲んで過ごした。約3時間、健治と、語りました。
そういうわけで、弦先生も、やっと、天界に行けたようです。　


弦先生が、得意だった、タロットカードの一枚引き(ワンオラクル)を、してみた。
弦先生は、成仏しましたか? 　　　なんと、「月」のカードばかり出る。
(人は死ぬと、月に還るか・・・)　
そして、肝心要の時は、「太陽」のカードが、出る。
「月」と「太陽」は、コンビでしょう。　　
今夜は、満月の夜。13日の金曜日。


お店を出て、さぁ、帰ろうという事に・・・私は、帰りの電車のルートを、迷っていた。健治は、山手線で、帰るという。
私も、そうしよう、山手線で、秋葉原まで行って、TXに乗ろう。
私達は、センター街を速足で、歩いた。そして、スクランブル交差点を渡っている時、健治が、右手を差し出してきた。

　　ミミちゃん、今日は、有難う、弦先生の為に、大きい事出来たぜ。

今夜は、満月。　その時、駅ビルの谷間から、お月様が、昇ってきた。それを見た時、一瞬、時が止まった。

　
握手を、二回した。　もちろん、有難うって、私は、言った。
駅まで、一緒に滑り込んだ。
そして、私達は、違う方向の、それぞれの山手線に乗って、帰路に着いた。
渋谷駅　2番線の階段を昇る「穴沢健治」を見た、最後の映像を、私は、一生忘れない。
カッコ良かった!


私は、たくさん、弦先生の遺品を、保管し、活用している。
それを、健治は、何か、察したんですね。

　　　遺品で、使わない物は、処分しろよ

そう、言われました。　　そうします。　もらってくれる人がいれば良いんだけど・・・

弦エニシ先生、天界で、ゆっくりして下さいね。

これまでの、読者の皆様、御読み下さり有難うございました。
本当に、弦エニシ師匠に関しての思い出は、つきないのですが、天界に行かれたので、終わりにします。

これからも、来世でも、本当に、好きで、恥ずかしいくらい好きで、今世では、弟子になってしまいました。
私、次は、弦エニシ師匠の子供となり、来世に存在致します。

弦エニシ師匠、出会えて、教えて頂き、感謝でいっぱいです。本当に、私の全ての師匠です。

弦エニシ&me　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミミ月丘


その1へ　その50へ

　　その５へ　 その１８へ　その１９へ　　その２０へ　　　その２１へ　その２２へ　その２４へ　　その３０へ その４９へ
その３１へ　　その３４へ　　その１へ　　その１０へ　　ミミ月丘トップページへ　その４８へ　
その３９へ、その４0へ その４１へ　　その４２へ　　その４３へ　その４４へ　　その４５へ　　その４６へ　　その４７へ
番外編へ 番外編6へ